班長を決める
学年最初の班をつくり、第1回のゲームをやったら、次に班長を決めます。
班長は、各班、男子1名女子1名。
まず、班長の仕事を説明します。
「班長さんの仕事は二つです。一つ目は、班員を守ること。たとえば、自分の班の人が他の班の人にいじめられたら、「いじめるんじゃない!」と守ってあげます。二つ目は、班員に指示を出します。少し荒っぽい言い方をすれば、班長は班員に命令できるんです(オー!という声が…)。たとえば、先生が各班に『プリントを取りに来て!』と言ったら『○○さん、取りに行って!』とか、チャイムが鳴ったのに、席に着いていない班員に『席に着け!』とか。」
「班長になる資格が一つだけあります。クラスをよくしたいというヤル気があることです。
ヤル気があればだれでもできます。難しそうだと思っている人もいるでしょう。でも、大丈夫。先生が全部教えます。先生が教えた通りにやればいいんです。先生の言う通りにやってうまくいかなかったら、それは誰のせい?(『先生だ』の声…)そう、先生のせいですから、うまくいかなかったら先生のせいにしてください。」
「それじゃあ、各班で話し合って、男子1名女子1名の班長を決めてください。1分で決めてください。班会議、はじめ!」
(1分後)「ヤメ!」
(もう決まった班もあれば、まだ決まっていない班もありますが、お構いなく)
「ヤメ!と言ったら、ヤメなさい」
「決まった班は、手を挙げて! 決まってない班は?」
「2班と5班は決まっていないんですね。2班と5班は、どうしたいですか?」
「もう少し時間がほしいです」
「先生のように、話し合いを進める人を、議長といいます。それじゃ、議長に要求してください」
「議長! 時間をください」
「どのくらい時間がほしいですか?」
「1分ぐらい」
「2班と5班に30秒時間をあげます。班会議、はじめ!」
「2班、決まりましたか?」
「決まりました」
「5班は?」
「決まりません」
「どうしても決まらなかったら、どうしたらいいか、教えましょうか?
(嬉しそうに)先生が決めるんです。先生が決めてあげますよ。先生に決めてもらいますか?それとも自分たちで決めますか?」
「自分たちで決めます」
「しかたないなあ。20秒だけ時間をあげます。がんばって、決めてください」……
「時間がかかった班もありましたが、全部の班が自分たちで班長を決めることができましたね。これは素晴らしいことです。このクラス、なんだかいいクラスになりそうな気がしますよ」
「さて、どうやって班長を決めましたか?」
「『ぼく、やるよ、わたしやってもいいよ』と決まった班?」
1班と6班が手を挙げます。
「1班と6班は、スゴイネ! やる気のある人がすすんで、やりますって決まったんだね。この決め方を立候補っていいます。いちばんいい決め方だ。」
「立候補で決まった班が2つもあるなんて、ますますいいクラスになりそうだ」
「『○○くん、やってよ』と言われて、『じゃ、やるよ』って決まったのも立候補っていえるね」
「まさかと思うけど、中学生にもなってじゃんけんで決めた班はないよね…」
クスクスと、笑い声が…
「じゃんけんで決めていいことと、わるいことがあるからね」
「まさかのまさかだけど、おまえやれ!と無理やりおしつけてきまった班はないよね。これは最悪だ」
「ともかく、決まった以上、頑張りましょう。先生が教えるから、心配しないでください」
こうして、クラス最初の班長が決まりました。
自治のクラス集団をつくっていくには、民主的なリーダーを育てていくことが必須です。
その第一歩です。
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