クラスづくりの3要素② リーダー㊦
リーダーを育てる
私が、クラスのリーダーと日常的に位置付けているのは、学級委員と班長です。体育祭・合唱祭等の大きな行事では、新たにその行事のための〝指導部〟をつくります。
前述しましたように、班長は各班男女1人ずつの計12人+学級委員男女各1人で計14人学級委員が班長を兼任すれば計12人です。
班長の仕事は、これも前述しましたが、班員を守ることと班員に指示を出すことです。この2つことができるように育てなければなりません。
班員を守る(助ける)
もし班員が、他から暴力やいじめを受けたら「何をするんだ!やめろ!」と毅然と守ってほしい。それができなかったら、すぐに担任に知らせ、相談してほしい。暴力やいじめに至らなくても班員が不当な攻撃を受けたら同様に毅然と立ち向かってほしい。
実際、誰構わず手が出てしまう子がいました。もちろん担任としてもその度に「暴力はいけない!」と諭しましたが、班長が(その他の子も)「○○!手は出すな!」と繰り返し言い続けました。暴力は次第になくなっていきました。
授業中に私語をしていると先生が「おしゃべりをやめなさい」と注意します。すると、優しく小声で「○◇!しずかにして!」と注意する班長が現れます。これは、私語をやめるように指示することでもありますし、周りの子たちと、同時に私語をしている子自身の学習権を守ることでもあります。
班員に指示を出す
帰りの会で要求が出されます。たとえば「掃除の前、ちゃんと机を運んでください」と。そのことをちゃんと覚えていて「机を前に運んでね」と班員に指示する班長が現れます。
教科連絡係で「明日の連絡、昼休み中に行ってね」と班員に指示を出す班長が現れます。
班長らしい班長が現れたなあと思います。
「学(まな)ぶ」は「学(まね=真似)ぶ」
そういう班長が現れると、褒めます。
「3班の班長さんはスゴイよ。仕事を忘れないように、班員にちゃんと指示していたんだ」
「2班の班長さんもスゴイ。おしゃべりしていた班員に、やさしく注意していたんだ」
すると、それをマネする班長が現れます。
そのことを褒めます。
「4班の班長さんは、2班の班長さんをマネしておしゃべりしていた班員を注意した。スゴイね。いいことをマネするってとっても大事なことだよ。クラスの人のいい所、どんどんマネしよう」
まねぶ【学ぶ】(「真似(まね)る」と同源)まねてならう。まねする。(広辞苑)
毎日の班長会
帰りの会が終わってすぐ。毎日のように班長会をやります。12人は多すぎるので、A・B、6人ずつの2つの班長会に分け、Aに出る班長とBに出る班長と決めてもらいます。
時間は約1~2分間。その場でいい動きをした班長を褒め、マネすることの大切さを教えることもあります。また、「きょう、何かいいことあった?」と聞くこともあります。見つけられた班長を褒めます。その場で担任から各班長に、明日やることを指示することもあります。次の日、前日担任が指示したことができた班長さんを褒めます。
「1日に1回でもいいから、班員に指示することができたらいいね」
「指示することが見つからなかったら、先生に相談してください」
この1~2分間の班長会は、班長を育てるために欠かせませんでした。
学級委員や班長と相談
時には、クラスの現状をどう分析するか、問題を抱える班をどうするか等、時間をとって学級委員や班長と相談することもあります。
学級委員をやって、班長をやって「良かった」と実感してもらうことが大事です。
それは、メンバーを守りメンバーに指示を出し、それでメンバーが動いて、班が変わりクラスが変わっていくことで 生まれてくるのではないでしょうか。
具体例は、〝実践編〟で紹介したいと思います。
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