実践

民主的なクラスのつくりかた(7)

クラスづくりの3要素③・・・討議

討議づくり

クラスに生じた問題を解決し、自主的・自治的な集団として高めていくためには、討議(話し合い)が不可欠です。
これは、家族・趣味サークル・スポーツサークル・文化団体・地域・市町村・国等あらゆる団体・社会集団についても言えることです。

民主主義の土台を成す理念は、〝個人の尊重〟です。

ある集団が10人で話し合っています。
9人が「甲が正しい」と主張していますが、Aさん1人だけが「乙が正しい」と発言しました。
ここで多数決をすれば「甲」に決まりますが、それが正しいとは限りません。
乙が正しい可能性があるからです。
そこで大切なことは、なぜAさんは「乙が正しい」と考えたのか、時間をかけて丁寧に聴きとることです。
Aさんの考えを聴いて、9人の中で考えを変える人が出てくるかもしれません。
それが、話し合い(討議)をする意味です。
民主主義とは、少数意見を尊重することです。
その上で、決まったことには従うということです。

この民主主義の理念とルールを、子どもたちに実践的にしっかりと教える必要があると、私は考えます。

二重討議

クラスの中には、班・クラスという集団があります。
班長会(学級委員も参加します)という集団も作ります。

帰りの会では毎日、班会議を行って質問や要求を出し、それをクラス全体の討議にかけます。

係を決めたり、係活動の総括をしたり、班替え案の討議をしたりするのは、週1回ある「学活(ホームルーム)」や「道徳」の時間を使います。
体育祭・合唱祭・遠足・キャンプ・修学旅行など大きな行事の案について討議するのも同様です。

いずれも、班会議とぜんたい会議の二重討議を行います。

二重討議は、多くの場合で取られている方式です。
一人ひとりの意見がより反映されやすいからでしょう。

いじめが起こるなど緊急に対応しなければならない時には、何よりも優先して話し合いをもつ場合もあります。

議題によっては、二重討議をせずにクラス全体で話し合うこともあります。

議長

討議を進行し採決の権限を持つ人が、議長です。
議長は、きわめて重要な役職ですから、民主的に全員の合意で選出されなければなりません。

議長は、質問や意見の発言を引き出して議論を進行し、論点を明らかにしていきます。
採決において賛否同数の場合は議長が決します。

大変難しい仕事ですので、クラスづくりにおいては、私が自ら立候補し、クラスの承認を得ました。
はじめは私が手本を示して議長を務め、やがて担任議長が独裁的になって、生徒議長に取って代わられる(リコールされる)というシナリオを描いていたのですが、私の力量が至らず3学期まで私が議長を続けてしまいました。
生徒議長が実現しなければ、自治が達成したことにはならないでしょう。

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