最初の班替え㊦
立候補で班長を決める
12人が班長に立候補!
立候補者が、一人ずつ 「授業と休み時間のメリハリのある班にしたいです」「授業に集中する班にします」「自分からなおし、私語をなくしたい」などと、決意表明。
一人ひとりに、信任の大きな拍手が送られました。
※立候補者が12人を超えた場合は、選挙を実施します。
「先生が、選挙管理委員を務めます。よろしいですか?」とクラス全員の承認を得て、
投票用紙(ただの白い紙です)を配り、定数の6名連記で投票してもらいます。「隣の人に見せてはいけない。見てはいけない」と秘密投票の原則を教えます。
1年生ぐらいですと、「先生、名前を書くんですか?」と質問する子もいます。「自分の名前は書きません」と無記名の原則も教えます。
また、「立候補者は当然自分も選んでください」と教えます。
新しい班をつくる
放課後、班長会を開き(学級委員も参加します)、新しい班を編成しました。
私も同席し、班長会の様子を見守ります。あまりにおかしな方向へ行きかける場合や、助
言を求められれば発言しますが、できるだけ班長達に任せるようにします。
まず、男女の班長さんの組み合わせ。
話し合いの結果、最初の班と同じでない、1・2年生の時に同じクラスでない、という原則がきまり、班長さんの組み合わせが決まりました。
いよいよ班の編成です。
最初に私が、一つだけ助言しました。
まず、クラスの中でいちばん弱い立場にいる子を、どの班にするか考えなさい、と。
「いちばん弱い立場ってだれですか?」
「よくクラスを見回してごらん」
「ユキちゃんじゃない」
「そうだ。学校に来れないんだもんね」
「わたし、去年も同じクラスで話したことあるし、電話もかけられる」と、山田あかね班長。「じゃあ、あかねの班がいいんじゃない」
「賛成」の声…
「オレ、アキラを班員にほしいね」と、井上班長。
「ダメだよ。それじゃ、私語が増えちゃうよ」という批判。
「そうだ。それはまずいよ」
などと、議論は進みます。
1時間ぐらいかかったでしょうか。ようやく新しい班の編成ができました。
どの班が何班になるかも話し合います。
班の中の席は、2人の班長が相談して決めます。
これについては、私が助言します。
「班の中の席をこの紙に書いてください」
「山下・小池班の席の決め方、いいですね」
「どうしてですか」
「班長はどこに座ってる?」
「後ろ!」
「そうだね。班長が後ろにいると、班員がよく見える。授業中、よい所もわかるし、
注意しなくちゃいけないこともわかるよね。素晴らしいね。いいところは…?」
「マネするんでしょ」
「そうだ」
リーダーは成長すると、(自分は誰と同じ班になりたい)というような私欲は排していきます。成長の過程でそういういう私欲が出るものです。
いわゆる「好きな子同士」。私は敢えて黙っています。自分の私欲とクラスぜんたいの利益という矛盾も抱えつつ、その経験も経て、リーダーは成長し、クラスは前進していくものだと考えるからです。
班替えを実施
次の日の朝。
私(担任)「昨日の放課後、班長会を開き新しい班が決まりました。班長さんたちは、みんなで決めたクラスの目標が達成できるよう、クラスがよくなるように真剣に話し合いました。では、新しい班を発表してもらいます。新しい1班の班長さん立ってください。(2人の班長が立ちます) 班員を発表してください」
1班の班長「1班の班員は、○○くん、○◇くん、◇◇さん、○△さんです」
以下同様に、2班~6班の班員が発表されます。
担任「では、新しい班に移動してください。班の中の席は班長さんの指示に従ってください。 移動はじめ!」
班替えは、日常的なクラスの活動の中で、もっとも盛り上がる時でもあります。
新しい活動が始まるという、フレッシュ感があります。
新しい係
次の日には、学級総会を開き、新しい係を決め、新しい班での活動が始まりました。。
私が要求したのは、〝プラス1(ワン)!〟一つでいいから、改善あるいはレベルアップしよう、ということです。
掃除場所も決めました。掃除は、方針といっても、どの場所も「きれいにする」ですし、
決め方にはあまり重点を置かず、各班の希望をとり、重なったらジャンケンで決めました。
掃除の指導については、別項で述べます。
(名前は全て仮名です)
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