理論

民主的なクラスのつくりかた(12)

クラスづくりの展望 ~1年間を見通して~ ①

私が勤務した学校はいずれも1年間でクラス替えがありました。私は、3学期になると〝道半ば〟と感じて「このままもう一年担任したい」と思い、「2学年~3学年はクラス替えせずに持ち上がりで!」と主張したこともありましたが、他の教員たちから全く受け入れられませんでした。「2年間担任なんてムリー!」「1年間でたくさん!」というのでした。

かつて2学年~3学年持ち上がりだったこともあるという話を聞いたことはありましたが、私はその経験は成りませんでした。小学校では、2年間の持ち上がりは行われているようですが…。私学では中学校で3年間持ち上がりの学校もあることは聞いたことがありますが…。

つい最近、公立中学校で3年間持ち上がり(クラス替え無し)の学校があることを知り、驚いております。どんな見通しでクラスづくりをするのでしょうか? 

まあ、小規模で学年一クラスでは、クラス替えのしようがありませんが…。

ただ言える事は、クラス替えはあまり固定的に考えることではないのではないかということです。子どもたちの実態と教員の態勢を考慮して柔軟に考えるべきでしょう。

本稿では、自分の経験で、1年間のクラスづくりという前提で、クラスづくりの見通しについて述べることにします。

管理から自主・自治へ

4月当初から「自分たちで!」というのは、かなりハードルが高い。

そこで私は、4月のスタート時点では担任が全権を握り、前回述べた〝学級開き〟の4月は仕掛けづくり。そして、少しずつ一つずつ子どもたちの手に渡していくようにします。

〝自主的なクラスにしたい〟という思いで初めから「自分たちでやって!」と任せると、たいてい失敗します。班・リーダー・討議のクラスづくりの3要素の素地ができていないところで「自分たちで!」と言われても、子どもたちは戸惑うばかりではないでしょうか。

ですから最初私は、ソフトですが、かなり強権的、管理的です。

述べてきたように、最初の班は私が決めます。

班長も「1分以内で決めて!」「自分たちで決められなかったら、先生が決めてあげるね!」と。はじめは、無理矢理班長も、ジャンケン班長もあり。

班会議は〝かたち〟から入ります。「お互い顔が見えるようにまるくなって!」「班長は、班員に『何か言いたいことや要求は無いか?』と聞いて! 無くてもいいからとにかく聞いてね!」と。

子どもたちの状況によっては最初、帰りの会は私が仕切り(お手本を見せ)、しばらくしたら、「先生のマネをして!」と渡していく。

学級総会も、はじめ議長は担任が務め、やがて生徒の手に! と言いながら、私の力量不足で、到頭3学期まで担任議長でしたが…。(記録を手繰ってみましたら、一度だけ生徒議長が実現したことがありました。)

子どもたちが、自由自治(何かの旗のようですが(笑))を勝ちとっていくという道筋の方が、自由獲得・民主主義実現のプロセスを学ぶという意味でも、子どもたちが自信と達成感を得るという意味でも、いいのではないでしょうか。

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