実践

自治をめざすクラスづくり(19)

褒める④

褒めることがなくなった!

子どものよい所を見つけて褒めたいと思います。はじめのうちは、一日に一つは見つけて褒めるように努めますが、だんだん見つからなくなってきます。
一つも褒めることがなく、お小言や怒ることばかり…なんてことになると、サイアクですね。

どうしたらよいのでしょう。

「褒める」をつくる

そうなったら、「褒めること」をつくるしかありません。っていうか、それこそが〝褒める〟真髄なのです。
私は、毎日のように、帰り会の後、1分間ぐらいの班長会を行います。この班長会のおもな目的は、次の3つです。

  • クラスの問題を解決し前進させる 
  • 班長の困りごとの相談にのる 
  • リーダーを育てる(担任が手本を示し、マネさせる)

係の仕事についてでも授業中の問題についてでも何でもいい。6つの班の班長にたいして、明日までに改善してほしい事、しかも少し努力でできそうなことを見つけておきます。それを班長会で指示します。

たとえば、こんなふうに

「1班は、帰りの会係だね。始まりのチャイムが鳴ったら早く始められるように頑張ってみて! きょうよりも10秒でも早くできたらいいね」
「2班は、教科連絡係。帰りの会が始まる時には黒板に書くようにしてね」
「3班は、教室掃除だね。掃除の前に何班がちゃんと机を運んでいるか、何班が運んでいないか見ていてください」
「4班は、牛乳パックの回収、何班が早いか、何班が遅いか見ていてください」
「5班は、授業の後、黒板(板書)を消すのを忘れないようにしてね」
「6班は、授業中の私語を注意されたね。少しでも減らそう」

全員の班長に指示できなくてもいいんです。
「きょうは、1班と3班の班長さんに指示するよ」でもいい。

次の日、担任が指示したことを実行した班長を褒めることができます。
全ての班長ができなくてもいいのです。
一人でも二人でも、できた班長がいればおおいに褒めたい。

「2班は、ちゃんと帰りの会まで黒板に書いていたね。すごいね!立派に改善した。」
「3班は、机を運んでいない班を見ていて、帰りの会で要求したね、班長さん、エライね!」

班長にたいして、誰か個人にたいして、あるいはクラスぜんたいにたいして、指示を出して、できたことを褒めます。

子どもたちの、小さな活動一つひとつがクラスをつくっていきます。

指示されたことをやる。これは立派なことです。

指示されなくても、自分で気づいて(考えて)やる。それはもっと立派なことです。

子どもを褒める時、子どもがいちばん喜ぶ言葉は、「エライ!」です。

子どもが何かやり遂げて褒められて発する最上級の言葉は、「ヤッター!」です。

「エライ!」「ヤッター!」で満ちた教室にしたいですね。

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