理論

3学期は、まとめと同時に飛躍のとき 

何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し。(啄木)

3学期は、まとめと同時に飛躍のとき

有終の美を飾れ!

3学期は、学年最後の学期であると同時に、年のはじめでもあります。「終わりよければすべてよし」ということわざがありますが、「事を成すに必ず始めに謀る」(ものごとは「始めが大事」ということ)という言葉もあります。3学期は、始めと終わり、この大事な時期が重なっているわけですから、いかに大事な時期かわかりますね。

3学期は「終わりよければすべてよし」なのですから、これまで以上にがんばる。最後にがんばる効果は大きく、これまでの失敗をとりかえすことができます。そうすれば「有終の美を飾る」といって、終わりを立派に仕上げることができます。

そうやって3学期をがんばることが、4月からの新学年・新学期のすべりだしを快調にすることになるのです。

ほんとうの友を見いだそう!

中学時代は精神的にも不安定な時期で、ちょっとしたことでも心が揺れ動きます。親友と信じた友に裏切られるということがあるかもしれません。あせらずにたくさんの仲間と広くつきあい、その仲間から多くのことを学びながら、心をうちあけられる親友をじっくり見いだしていくときです。

親友とは、ほんとうのことをいったら怒るだろうということをいいあえる仲間のことです。「いやなことでもいいあえる仲間」としての親友は、そうかんたんにはつくれませんから、あせらず、たくさんの友人をつくり、いろんな人と楽しくつきあいながら、ほんとうの友を見いだしていきましょう。

可能性にチャレンジしよう!

学校にはさまざまな活動があります。勉強だけでなく、学級、生徒会活動、行事、委員会、部活動などは、自分を成長させる〝宝の山〟です。

どこに宝が隠されているかわかりません。じっとしていては宝を掘りあてることはできません。「ここで自分の力を発揮してみよう」「これで自分を変えてみよう」と、積極的にアタックしてみましょう。最初は、自分にはできそうにないと思っていても、実際にやってみると意外におもしろく、今までわからなかった自分の一面を発見することができます。こうして、眠っていた可能性が目を覚まし、自分を成長させる鉱脈にぶつかることがあるのです。

人間は、だれもが世界を変えるほどの力をもっています。きみの中にもその力が眠っています。しかし、多くの人がその力を眠らせたままにしています。その力を目覚めさせ、引き出すのは、中学生活に用意されたさまざまな活動に意欲的にチャレンジしていくことです。

クラスの仕事にすすんでとりくむことは、よいクラスをつくり、みんなのためになるだけでなく、幅広い能力をもった自分をつくることでもあります。勉強はもちろん大切ですが、「勉強しかできないバカ」もこまります。どんなことにも挑戦しようとする幅広い人にならなくては、学力もまた伸びていきません。裾野の広い人ほど高く伸びます。

3学期、いろんな活動にチャレンジして、自分の可能性を大いに試してみましょう。

                        (あゆみ出版『わが子は中学生』より)

新しい年

                         谷川俊太郎

新しい年が夜の闇にこだましている

違うよ あれはただの除夜の鐘

新しい年が水平線の向こうから上がってきた

違うよ あれはただの初日の出

新しい年が空からはらはら振ってきた

違うよ あれはただの日めくり

新しい年が青空の高みで風に舞ってる

違うよ あれはただの凧揚げ

新しい年がお盆の上で湯気を立ててる

違うよ それはただのお雑煮

新しい年が袋の中できみを待ってる

違うよ それはただのお年玉

新しい年がしゃっちょこばって挨拶してる

違うよ それはただの年賀葉書

新しい年は去年を脱いですっぽんぽん

違うよ それはただの幻想

新しい年が平和への一歩を踏み出した

違うよ それはただの理想

新しい年が地球の上にやってきた

違うよ それはきみの決意の中にしか来ない

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。