理論

民主的なクラスのつくりかた(16)

クラスづくりの展望⑤

クラス(学級)は〝いきもの〟

人間が、まして発達途上の子どもたちが、30人~40人も集まっているのですから、あたりまえといえばあたりまえなのですが、クラス(学級)は〝いきもの〟です。様々な顔を見せてくれます。

明るく笑顔いっぱいの顔、前向きな上昇する空気を感じさせてくれる顔…。いつもこうならいいんですが。……〔A〕の状態とします。

元気なく覇気なく沈んだ顔、暗い澱んだ空気を感じさせる顔…。こういう時もあります。

……〔B〕の状態とします。

原因を探ります。

「きのう、学級懇談会(保護者会)で、子どもたちを褒めたからかな」

「きのう、厳しく怒ったからかな。そういえば他の先生も、だらしないから怒ったと言ってたな」

全く見当がつかないこともあります。

きょうは、どうしたんだろう? 

 自治めざすクラスづくりがうまくいっていれば、〔A〕の状態が続くようになります。まさに好循環です。うまくいっていないと〔B〕の状態の悪循環に陥ります。

子どもたちの顔は、担任の実践・指導を映す鏡です。

逆を行け!

〔A〕の状態なら、「いいね、いいね」でいいではないかと思います。ところが、クラスはいきものです。ずっと〝いい〟状態でとど留まっていることはありません。〝そのままでいい〟は、なあなあの馴れ合い関係を生じさせます。いつ〔B〕の状態に転落するかわかりません。現状維持はまずありません。少しでいい、高みをめざさなければなりません。自治をめざすクラスづくりに終わりはありません。

クラス集団を高めるには時間がかかりますが、落ちていくのはあっという間です。

〔B〕の状態の時、担任が「だめじゃないか!」「こら、何やってるんだ、ちゃんとやれ!」なんて言ったら、子どもたちは落ち込むばかり。(子どもたちのせいではありません。担任がやってきたことの鏡だということを忘れてはなりません)

どうしたらよいか?

〔A〕の時は、「こういう所はダメじゃないか!直していこう!」「現状でよしとするな!ココまで目指せ!」と厳しく要求する。

〔B〕の時は、「このクラス、いい所いっぱいあるよ!」「みんななら、やればできる!」「一つずつよくしていこう!」と、あたたかく優しく励ます。

現状と逆のことを要求するのです。

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