実践

自治をめざすクラスづくり(23)

あのQ組、3学期は…

あのQ組が3学期、どうなったか?

30年以上も前のことなので詳しいことはほとんど覚えていませんが、覚えていることといえば、授業中うるさい、だらしないという状況は相変わらずだったが、子どもたち同士の助け合い励まし合い、また、批判し合う結びつきができてきたということです。
私自身、このクラスが大好きになったということです。

そして、いまだに忘れないことが…

集会室+廊下そうじ

Q組は、集会室+廊下そうじの一部を担当しています。
ここは広いので、他のクラスも担当しています。
4月当初、私が様子を見に行くと、わがクラスの子どもたちがそろっていないのです。

「どこに行っちゃったの?」

「わかりません」

いない子の捜索から始まります。
心当たりを探しに行って、見つけて連れてきます。
それだけですでに5分は遅れています。

他のクラスは、先生の指示のもと整然と掃除をすすめています。
わがクラスは、全員そろっても、おしゃべり、ふざけあい…
私が指示を出して、やらせるしかありません。

どっかへ行っちゃう子をどっかへ行かないように、班長と相談します。
授業が終わったら、つかまえて必ず一緒に集会室に来るようにします。

掃除を自主的にやるって、けっこう難しいんです。

初めは、私(担任)が班長役をやります。

「Aさんは、ココを掃いて!」「BさんとCさんは、バケツに水を汲んで雑巾をしぼって!」「Dさんはココ、Eさんがココを雑巾がけ!」などと指示を出します。
つねに班全員の動きを見て、仕事の進行状況を見ながら、次に指示することを考えなければなりません。
もちろん自分も仕事をしながら。

班長には、「先生のマネができるように見ていて!」と言います。

何日かしたら2人で班長をやり、さらに何日かしたら班長に、

「どう? 一人でできそう?」
「やってみます」

班が変わったら、同様に新しい班長に教えていきます。

どの班が来てもできるようにしていかなければなりません。

となりの場所では、担任の先生が大きな声で指示してやっています。
生徒たちもそれに従って、ちゃんと働いています。

私は、大きな声は出しません。
うまくいかないことがあったり、怠けるような子がいたりしたら、あとで班長とどうしたらいいか相談します。

時間はかかりますが、だんだんと班長の指示のもと自分たちで掃除ができるようになっていきます。

3学期になって、その瞬間が…

3学期になって、明らかな変化が…。

担任がいかなくても、掃除できるようになりました。
しかも、私は「きれいする」ことを目標にするよう要求しました。
集会室+廊下は多くの人が通るので、一日でかなり汚れます。

雑巾がけを1回やったぐらいではきれいになりません。
そこで私は、2回3回雑巾がけすることを要求しました。
汚れた雑巾は頻繁に洗わないといけません。
雑巾を洗った流しもきれいにします。
班長は汚れが残っている所がないかチェックします。

ある日、掃除の様子を見に行って、感動しました。

他のどのクラスよりも早く掃除を始めていました。
そして片づけを含めて時間通りに終わり、床はピカピカです。

子どもたちの顔には、自信と達成感が。

私は、子どもたちを大いに褒めました。

となりを見たら、子どもたちは先生が来るのを待っています。
先生が来て大きな声で指示し、子どもたちはその通りに掃除をしています、時々注意を受けながら。
4月と変わらず。

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