行事(1)
いよいよ行事について語る時がきました。行事の取り組む意味について理論的に解明し、その後実践的なお話をしたいと思います。
行事は学校に欠かせない
授業の学習が、学校生活における本分であることは述べました。
ところがほとんど学校には、いや全国すべての学校には、授業のほかに〝行事〟があります。
私が勤務した学校には、一年間に次のような行事がありました。
入学式、新入生歓迎会、1年生遠足(2年生キャンプ、3年生修学旅行)、体育祭、鑑賞教室、合唱祭、3年生を送る会、卒業式。文化祭は途中で廃止されました。
学校五日制が導入されて以降、多忙化と学習指導要領に規定された授業時数を確保せよという圧力とも相まって、行事を削減する動きが強まっています。
各学校で教職員・子どもたち・保護者の声をしっかりと聴いて、行事に取り組む教育的意味について考え議論を深めていく必要があると思います。そのうえで、必要な精選を行い、
どの行事を残し発展させていくのが子どもたちの成長につながるのかという議論をすべきでしょう。
私自身、授業とクラスづくりに取り組むとともに、学年行事や全校行事の企画運営に携わってきました。その実感として「学校に行事は欠かせない」「行事がなかったら学校じゃない」と思います。
行事のもつ力
子どもたちが、飛躍的に変わる!
そう考える最大の根拠は、行事に取り組むことによって子どもたちが飛躍的に変わるということです。遠足、キャンプ、修学旅行、体育祭、合唱祭、3年生を送る会、卒業式…各行事に取り組んで、子どもたちは変わりました。行事に取り組む中でいくつものドラマが生まれ、感動が生まれました。行事には、そういう計り知れない力があるのです。時に子どもたちは、教師の予想や期待を超えて成長します。行事は、子どもたちの限りない可能性を見せてくれます。
行事は、クラス・学年・全校という子ども集団が、より質の高いものをめざすことによって、他では得難い文化的価値を築き、子どもたち同士の関係を高め深めることができるのです。行事には、子どもたち同士の関係を深め高める取り組みが仕組まれているからです。
子どもが飛躍的に成長するチャンス
行事に取り組むのは、クラスを変え、学年を変え、その中で子どもを変えるためです。
行事に取り組む際、「この行事で、クラス集団や学年集団・全校集団をどう変えるか?」
「この行事で、○○くんをどう変えるか? ○◇さんをどう変えるか?」
という指導目標を立てる必要があると思います。
行事は、クラスを変え、子どもたち一人ひとりを変える絶好のチャンスです。
行事をそういうチャンスにしていくことが大切なのではないでしょうか。
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