行事(3)
行事を成功させるための5つの条件㊦
感動
第四に、行事に欠かせないのは、感動を生むものにするということです。子どもたちの心を震わせる感動を生み出せるかどうかは、行事の成否を決定づけます。
小学校6年間、中学校3年間、高校3年間で、どれだけ感動体験を積み上げることができるか、それは学校の重要な役割だと思います。
まず、毎日の授業の中で追求されなければなりません。
そして、行事では、それぞれの行事ならではの特別な役割があり、それぞれの行事ならではの感動が生まれます。
行事で生まれる大きな深い感動。その感動が子どもたち一人ひとりの心に刻まれ、心ゆたかな人間として成長する糧になります。
自主性
第五に、子どもたちが主人公だということです。学校におけるすべての教育活動は子どもが主役になるようにすることが大きな目標ですが、特に行事では決定的に重要です。
子どもたちが自主的に取り組む行事にするために、次の手続きが必要になります。
- 学年の行事であれば学年教師集団が原案(行事の実施要綱案)をつくり、全校行事であれば全校教師集団が原案(行事の実施要綱案)をつくる。
(実際には、各行事の担当者が案を作成し、職員会議で「案」を決定しますが、子どもたちには「先生たちの案」として提案します) - その原案を、生徒集団の議決機関(学級委員会など。生徒数が少なければ学年総会や全校生徒総会も可能でしょう)に提案して討議に付す。
- 学級委員会など代議制の場合は、さらに各学級の討議に付す。
- 学級委員会または総会で審議し、採決する。(各学級の質問や意見を反映させる。修正案があれば、修正案について審議し、採決する)
※例えば、体育祭では、教師と生徒たちの体育祭実行委員会とで原案を練り共同提案にするという手法もあるでしょう。 - 決定した「実施要綱」に基づいて、実行委員会などの実行組織が中心となって、準備・練習に取り組む。実行委員会を定期的または不定期に開き、進行状況を把握し、質問をうけ、必要な援助を行う。
(実行委員会が審議もし実行にもあたるということが往々にして見られますが、審議し議決する機関と、議決したことを実行する機関とを明確に分けることが民主主義の手続きとしては必要です) - 行事本番を迎える。子どもたちが自分たちで決めたことを自分たちで取り組む行事になります。
- アンケート調査などを行い、実行委員会が「総括案」を作成する。代議員会または学年総会・全校総会で「総括案」について審議し、成果と次年度への課題を明らかにする。
教師集団としても総括を行う。
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