実践

自治をめざすクラスづくり(54)行事の実践3 合唱祭

行事の実践3 合唱祭

特別な曲を選んだクラス(1)

高い峰をめざすこと・子ども達の可能性を信じることの大切さ!

十数回にわたって2年7組の合唱祭の取り組みを紹介してきました。他のクラスでも大体同じように、自主的に練習に取り組むようにしてきました。

合唱祭の取り組みから、エピソード的にいくつか、のべることにします。

今回は、〝特別な曲を選んだクラス・その1〟

89年度の2年1組。

〝ハレルヤ〟(ヘンデル作曲「メサイア」)にチャレンジ!!

自由曲を決める時、学年に相応しいレベルの曲を、私は過去に歌われた曲や、デモテープ(CD)から数曲選び、「先生の推薦曲です。この中から選んだら、どうかな?」と提案します。

合唱委員・指揮者・伴奏者らでつくる指導部で2~3曲にしぼり、クラスみんなの投票でで決める、というやり方を採ってきました。

なかには、指導部のメンバーの全員一致で、1曲にしぼり、それをクラスみんなに提案するということもありました。

そして時々CDの中に、難しくて私が推薦するつもりは全くないけれど、目を引く曲名がまぎれていることがあります。それをめざとく見つける子がいるものです。

89年度2年1組では、ヘンデルの「ハレルヤ」があったのです。

「先生! 〝ハレルヤ〟って何ですか?」

「どんな曲ですか? なんか、おもしろそう」と。

「むずかしいよ。難しすぎると思うよ。四部合唱で、英語だし…」

「聴いてみたい。先生、かけてください」

「難しいよ」と言いながら、かけると、

「これ、やってみたい。」

「おもしろそう!」

「やってみようよ」

「英語で歌うのも、かっこいい!」

と、あっという間に指導部全員が一致。

〝ハレルヤ〟をクラスに提案。クラスみんなも好反応。

難しい曲にチャレンジする意欲が漲っていきました。

もちろん、完璧とはいきませんでしたが、なんとか歌いきり、何より子どもたちが、「やればできる」という自信が得ましたし、毎日の練習が楽しくて楽しくて、子どもたち自身が感動していました。

私自身、子どもたちのチャレンジ精神と可能性に、脱帽!!

私は、子どもたちのもっている力を見極め、その少し上を!と考えてきましたが、そんな配慮は不要なのかもしれません。

無謀とも思われることに挑む、チャレンジ精神、いや冒険心も必要なのかもしれません。

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