行事の実践3 合唱祭
特別な曲を選んだクラス(3)
高い峰をめざすこと・子ども達の可能性を信じることの大切さ
3年1組(2010年度)が選んだ「あの空へ~青のジャンプ~」㊤
(名前はすべて仮名)
1学期が終わる7月。10月末に行われる合唱祭の準備が始まりました。
まず、次のメンバーで指導部を結成しました。
合唱委員 堀田くん、平さん
学級委員 時田くん、西村さん
指揮者候補 植松さん、梶田さん、伊藤さん
伴奏者候補 森山さん、高橋さん
(指揮者と伴奏者は、8月末にオーディションをおこなって決めます)
この指導部で、自由曲の候補を3曲程度にしぼって、その中からみんなで決めることにします。
ある日の放課後、指導部に残ってもらいました。私が、合唱のCDを何枚かもってきました。「こんなのどう?」「これは?」と何曲か選んでCDをかけました。
何曲か聴いているうちに、ある子が1枚のCDに目を付けて言いました。
「その、『青のジャンプ』ってどんな曲ですか?」
私はこの曲を聴いたこともありませんでした。そのCDを見て言いました。
「どんな曲かは知らないけれど、NHKのコンクールの高校の部の課題曲だね。混声四部で、難しいと思うよ」
「聴いてみたい! 先生、かけてみてください」
「いいよ」
と、そのCDをかけました。
いい曲には違いないのですが、難しいのは歴然。
「おもしろい曲だね。でも、難しいよ」
と私。
ところが、他の子からも
「おもしろそう! この曲、いいんじゃない!?」
私は抵抗を試みました。
「ソプラノの音も高いし、四部合唱で、難しいよ!」
しかし、
「これ、いいと思う」
「この曲、やりたい!」
結局、「あの空へ~青のジャンプ~」を候補曲に入れることになりました。
私は内心、(この曲に決まったらどうしよう?)と思っていました。
(そのときは、当たって砕けよだ!)と思っていました。
指導部の子たちの思いがクラスの子たちへ浸透したようで、圧倒的多数で「あの空へ~青のジャンプ~」に決まってしまいました。
私は心の中でまだ(これ、ホントにやるの? やめた方がいいよ)と思っていました。
(自分たちで決めた以上、それでいくしかない。それを応援するしかない)と決心するまで少し時間がかかりました。
オーディションで、指揮は伊藤さん、伴奏は森山さんに決まりました。伴奏も易しくはありません。森山さんは、夏休み中から練習し、9月になって学校で体育祭に取り組んでいるときも、自宅で猛練習していました。
合唱祭のクラス目標
- 指導部を中心に自主的に練習する。
- クラスみんなの心をひとつにして、感動的な合唱にする。
体育祭が終わり、次は合唱祭の取り組みです。
10月1日の学級総会で、合唱祭のクラス目標を決めました。
合唱委員が提案した「目標案」は次のとおり。
全班の賛成で提案通り決定しました。
学級分析
学級の良いところ
- 積極的でやる気があり、けじめがある。
- 先生に頼らず、リーダーを中心に何事も自分たちでやる。
- みんなで、男女関係なく、協力できる。
学級の課題
- たまに私語が多い。不適切な発言がたまにある。
学級目標
- 指導部を中心に自主的に練習する。
- クラスみんなの心をひとつにして、感動的な合唱にする。
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