実践

自治をめざすクラスづくり(97)勉強について考える⑦【いまこそ学校に希望を155】

勉強について考える(7)

学ぶ力の土台

授業でしっかり学んで、自立する力を育てよう!

S中2年進路だより(1998.1.23)より

勉強は、どの科目もみんなスタートは同じです。その後の努力で差ができるのです。その努力とは、復習をよくやること、何度も繰り返しやることです。スタート後の努力がポイントです。

『受験期の子をもつ親に』の著者である坂本光男先生は、「〝学ぶ努力をする子は、家でどんな生活をしているのだろう〟と思い、自分の国語の授業をとおして調べてみました。

すると、かなりはっきりした根拠がわかりました」と述べています。

①家で責任ある仕事を負っている子
②寝る・起きる・机に向かう時間がきちんとしている子
③テレビを40分(通常日)以上みない子
④手足・体を使ってものごとをよくやる子
⑤家族の対話にまじめさのある子
⑥「質問する」「調べる」ことをよくやる子

「この六つのことが、学ぶ力の土台となっているということです。そしてその結論は、〝学ぶ努力をしない子は、結局ふだんの生活のなかでも努力をしているものがないんだ〟ということだったのです。

そこで、家庭生活の面では、

  1. 生活のリズムをくずさない努力をさせること
  2. 責任ある仕事を負わせやりとげさせること
  3. 家族の対話を多くし、はっきりものが言える子にすること、

です。
これが、人間としての活力を育ててくれます。
この(1)~(3)を、親はもっともっと真剣に実行させてほしいと思いました。
そうすれば必ずどの子も〝学ぶ努力〟をする子になると思ったからです。

また、上記枠内の六つの中では、⑥の「質問する」「調べる」ということが、ことさら大事のように思います。

元来、〝学ぶ〟ということは、疑問をもつところに出発点があったのです。
そして、〝疑問があるから調べる〟〝調べて未知なことがわかるから楽しい〟ということがもとになり、文明・文化が進歩してきたのです。
だから、子どもたちにもそう仕向けてやれば、必ず学ぶ喜びがわかり、意欲もわかすようになると思うからなのです。

それには親も、子どもが〝わからない〟と苦労しているときは、どしどし先生や友だちに質問させる必要があります。
また、辞書や事典で調べるように厳格に指導することが必要です。
その自分にできる努力をさせないで、安易に塾や塾や家庭教師をあてがうと、肝心な本人の中身(学習に挑む力)が育たず、他人ばかりに頼る怠惰な子になってしまいます。

(坂本光男『受験期の子を持つ親に』より)

ふだんの生活を改善しようと努力しない子は、学ぶ努力もできないものです。
授業・学習の時間も、毎日の生活の一部分ですからね。

このことは、子どもたちの生活と学習を見ていて、よくわかることです。
ふだん、そうじをいっしょうけんめいにやっている子、係の仕事をまじめにやろうと努力している子、手足・体を動かすことをいとわずによく働く子、まじめな話にはまじめに考えこたえる子、こうして自分の生活をよりよくしようと努力している子、人間として活力のある子は、授業にも熱心にとりくみ、学ぶ努力をしています。

生活リズムを確立することをはじめ日常の問題を重視する大きな理由が、ここにあるのです。

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