教育の目的(5)
自己内対話
王選手は、自分と対話している。
「なんでこんなエラーをしてしまったんだ。何のために練習してきたんだ」
「きょうはどうかしている。どうしたんだ」
「ひどい失敗だ。なさけない」
「くよくよしたって、始まらない」
「あー、落ち込む」
「落ち込んでいる場合じゃないだろ」
「悔しい」
「いままでも、悔しい思いをしたことがあるじゃないか。それをバネにしてがんばってきたじゃないか。
それがおまえの真骨頂じゃないか。
おまえは、チームを引っ張っていく立場だろう。ドンマイ、ドンマイ! チーム全体に前向きな空気をつくっていく時だろう。
さあ、ここは気持ちを切り替えて、〝行くよ!〟とチームみんなを鼓舞して、ファンの皆さんにも笑顔を見せる時じゃないか!」
王選手は、自己内で、きっとこんな対話していたのだろう。
理性の力
いま必要なことは何か。
いまやるべきことは何か。
その場の気分や感情に左右されることなく、冷静に考える。
道理にかなっていることは何なのか、深く考える。
本当に大事なことは何か、深く考える。
本当は何が正しいのかを見極める。
物事の本質を見極める。

それは、〝理性〟とよばれるものの力だろう。
理性は、どのようにして育つか?
次のようなことが考えられるのではないだろうか。
- 深く考える言葉をもっている。
- 筋道を立てて、論理的に考える力をもっている。
- 考える土壌として、自然や社会についての知識をもっている。
- 生きる大前提として、健康なからだ。食の知識。
- ものごとを創造する力、想像する力。
- 人間性を培う心の栄養として文化芸術に触れている。人間らしいゆたかな感性。
これらは、本を読むこと、9教科の勉強を深めることによって得られるのではないだろうか。
多少こじつけ的に分類すると、
1 → 国語、外国語。
2 → 数学
3 → 理科、社会
4 → 保健体育、技術家庭
5 → 全教科
6 → 音楽、美術
このように考えを進めていくと、もうひとつ大事なものがあることに気づく。
(つづく)
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