実践

自治をめざすクラスづくり(114)教育の目的⑩【今こそ学校に希望を174】

教育の目的(10)     自立の力を育てる

ホントウのクラスづくりとは?  ~子どもが主人公のクラスづくり~

学校は子どもが主人公。

理性と知性と感性を働かせて、考えましょう。

〝子どもが主人公の教育を!〟と言ったら、誰も反対しないでしょう。
〝子どもが主人公〟ということは、子どもは誰かに支配される存在ではなく、主権者として、学校の中の活動について、決め、実行する力をもっているということです。
(教職員は、教科書裁判における杉本判決で示された国民の教育権の一端を担う主権者であることは論をまちません)

子どもたちが自分たちで決めて、活動し、活動したことにたいして総括もするということです。
そういう道理になります。
それを、全校集団づくり、学年集団づくり、学級集団づくりで、やっていくということです。

ここでは、学級集団づくりについて考えてみましょう。

学級は、子どもたちが生活し学習する場です。
誰かにやらされているとしたら、自分で考え判断する力は育ちません。
自立の力を育てるために、子どもたちが学級づくりの主役にならなければなりません。
自治的な集団の中でこそ、自立の力が育ちます。

自分たちのクラスが何をめざすのか?
そのためにどんな活動・取り組みを行うのか?
その取り組みをどのように行うのか?
子どもたちが考え、話し合うことが必要です。
リーダーは、何にどう取り組むか、学級総会に提案します。

クラスの課題は何か? その課題によって取り組むことが決まります。
そこで、まず課題を明らかにするために、クラスの現状がどうなっているのか分析しなければなりません。
そのためにクラスの現状をどうみるか、アンケートを行うのもいいでしょう。
分析は、現象面とその背景にある人間関係を明らかにすることです。

この道理がわかっていなかったら、教師が助言する必要があります。
これが教師の指導性です。

私語があったり忘れ物があったりして授業に集中しないので、授業に集中することを目標にして取り組むとしたら、学級総会で各教科の授業のようすがどうなっているのか、授業に集中できていない状況がどうなっているのか、その原因・背景は何なのか、明らかにし、どう取り組むか、討議します。

「しずかにしなさい!」「私語はやめなさい!」と先生に注意され怒られることに終始していたら、怒られないためにしずかにする、というクラスになり、自立する力は育ちません。
もうひとりの自分は育たず、自己内対話は生まれません。
子どもたちが生き生きしてないと感じるでしょう。

自治的なクラスこそ、自立する力が育ちます。

民主主義の理念と民主主義をつくるプロセスを知ることが欠かせません。

私自身、若いときには、民主主義の論理と民主主義(自治)を築くための〝知〟が欠けていました。
子どもたちが発する不安や不満を感じ取る感性も欠けていました。
クラスづくりは失敗の連続でした。
理性なく子どものせいにして…。
知性なくめちゃくちゃ…。
それに気付かせてくれたのは、先輩教師の助言と子どもたちでした。
クラスづくりは、失敗からのスタートでした。

理性と知性と感性!

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