経験談

学校をどう変えるか(22) 【いまこそ学校に希望を239】

学校をどう変えるか(22) 

学校の言葉③

「指導」

「指導」とは、目的に向かって教え導くこと。
子どもと集団(学級・学年・全校)を育てること。

《例1》

AくんはBくんにたいして、悪口を言ってからかったり手を出してぶったりします。
担任の先生は、
「Aくんに、Bくんはいやがっているのだから、もうやめるように指導しているのですが…」
と言います。
「指導して、どうなんですか? Aくんはやめるようになったのですか?」
「なかなかやめてくれないのです」
「それで、どうするんですか」
「また、指導しておきます」

《例2》

○組は、授業中おしゃべりが多くて席に着いていない子も多くて、給食の時間もなかなか「いただきます」ができません。
先生は、全員が席に着いて静かにして、係の子に「いただきます」を言わせたいのですが…
「『みんな! 席に着いて、静かにして!』と指導しているんですが…」
「それで、どうなんですか?」
「指導しているんですが、なかなかできません」
こういうことがよくあります。

何が問題なのでしょうか?
どうしたらよいのでしょうか?
「やめなさい!」と言って、やめられれば、そんなラクなことはりません。
「座りなさい! しずかにしなさい!」と言って、できれば、そんなラクなことはありません。

指導:目的に向かって教え導くこと。(広辞苑)

指導:直接指示を下したり 説明を加えたり 質問に答えたり して教えること。

教える:〔相手の知らない知識や・技術を〕分かりやすく説明し、それを身に付けさせる。

                                   (新明解国語辞典)

 Aくんが、やめるところまで導くことが、指導ということです。

  ○組が、授業の開始や給食の開始の時刻になって、全員が速やかに席に着いておしゃべりもやめることができて、「指導した」と言えるのです。          

《例1》《例2》は、指導したとは言えません。ただ、子どもに向かって言っただけです。

どうしたらよいのでしょうか?

AくんはなぜBくんをからかったり、手を出したりするのでしょうか?
Aくんの言い分をよく聞き、Bくんの言い分も聞き、原因を突き止めなければなりません。
その上で、からかったり手を出したりすることの非を分からせ、その納得のうえで謝罪し、「誰に対してもそういうことをしないように努力しよう!」と励ませればいいですね。
それで、Aくんが人をからかったり、人に出を出したりする行為が、なくなったり少なくなったりすれば、Aくんのなかに〝もうひとりの自分〟が育ってきたということで、これこそが教育ではないでしょうか。

○組は、チャイムが鳴っても席に着かないし、「いただきます」も時刻通りにできません。
私自身、この問題には、ずいぶん取り組みました。

私は多くの活動は班活動を中心に行いました。
日替わりの〝日直班〟というのをつくりました。

班長会で、チャイムが鳴り終わってから何秒間のうちに席をつくことを目標するか、話し合いました。
「10秒にしよう」決めたら、それをクラスみんなに伝えます。
「きょうの日直は1班」なら、1班はチャイムが鳴り終わったら、10数え、席に着いていない各班の人数を調べ記録します。

帰りの会で、それを発表し討議します。
「人数が多かった4班は、明日どうやって減らしますか?」

「班長が声をかけて、減らします。きょうは、5だったので明日は2以下にします」などと。

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