経験談

子どもが主人公の学校に!(1)【いまこそ学校に希望を259】

子どもが主人公の学校に!(1)

〝校内暴力〟〝荒れ〟にどう立ち向かうか?

私が30数年間勤めたK県S町には、私が赴任した当時、中学校が2校ありました。
私が新任で赴任したのが、S中学校。
10年後に転勤したのがA中学校。
たしか1990年ごろでしたか、生徒数急増にともない、3つ目のH中学校が開校しました。
3校に同年代の教員も多く、よく集まって、時には食事しながら、「こんな学校にしたい!」「どこをどう変えていこうか?」…など語り合いました。

皆の一致点は、「子どもが主人公の学校にしたい!」
学級づくりの実践を出し合い、学年の取り組みを出し合い、学校をどう変えていくか?という議論に発展していきました。

ちょうど、〝校内暴力〟とよばれる〝荒れ〟が全国各地に吹き荒れたころで、S町でも例外ではありませんでした。

学校ぜんたいが荒れているのですから、当然学校ぜんたいをどう変えていくか?という議論になります。
私たちが、職員会議で提案したのは、次の2つのことです。

☆暴力やいじめ、授業妨害といった行為にたいして、「ぜったいに許さない!」という毅然とした
態度で臨む。
教師側は決して暴力を振るわない。暴れたり、暴力を振るったりした子にたいしては押さえ込むなどして落ち着かせる。
落ち着いたところで、暴力が非人間的な過ちであることを諭す。
☆暴力に対峙する、人間らしい文化を築く。
具体的には、全校生徒に、個人の有志参加で〝愛感連(アイカンレン)=愛と感動と連帯〟という団体の結成を呼び掛ける。
参加資格は、学校をよくしたいという志をもっていること。
活動内容は、愛と感動と連帯に満ちた合唱をつくること。

当時、体育祭、合唱祭、文化祭は、各クラスが参加する全校行事として続いていました。
合唱祭は、各クラスが課題曲と自由曲を歌い、そこそこの合唱をつくっていました。
荒れた状況を前にして、職員のみなさん、藁にも縋る思いだったのでしょう。
この提案に賛成してくれました。

子どもたちのなかにも、学校をよくしたいという気持ちをもっている子が少なからずいたのでしょう。
というよりも、それを確信していたからこその提案だったのですが。

正確な人数は覚えていませんし、子どもたちが初めに何の合唱曲を選んだかも忘れてしましましたが、全校の1年生から3年生まで、数十人の子たちが参加を表明し、有志合唱団〝愛感連〟が結成され、練習に取り掛かりました。
もちろん、曲も練習時間も自分たちで話し合って決めます。

何を歌ったかも忘れてしましましたが、さすが有志! 短時間の練習で感動を合唱をつくりあげていきました。
その練習の歌声が、集会室から響いてきます。

そして、始業式、終業式、全校朝会など、何かの折に、愛感連の合唱を発表するのです。
学校に感動の合唱が響きます。荒れすさんだ空気を拭い清めるように。

私たちが、教職員のみなさんに強調したのは、〝荒れ〟に取り組む際に、いじめや暴力に毅然とした態度で臨むことは重要だが、取り締まり、管理主義に陥らず、子どもたちの中に、自分たちで学校を変えていくという自治の力を育てることで、子どもたちを、学校をつくる主人公にしていくことでしか、真の解決法がない、ということでした。

このことが、確かな説得力をもち、また、実際、〝愛感連〟の合唱で学校が変わり始めたことで、
裏打ちされたようです。                          

(つづく)

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