子どもが主人公の学校に!(8)
行事の力
体育祭の変革で〝荒れ〟を克服 ~異年齢集団の取り組み~
A中は、合唱祭を、一流の大ホールで実施し、子どもたちの自治的な文化創造活動に変えるなかで、学校の空気が変わっていきました。
落ち着きを取り戻し、子どもたち同士の結びつきが強くなり、みんなでいいものを生み出していこうという空気に満たされるようになりましいた。
A中に移って9年が経過していました。
さらに高みを目指そうとしていたのですが、異動命令が…。
S中へ戻ることになりました。
9年前、〝校内暴力〟乗り越え、〝さあ、これから…〟というところでA中へ異動したのでした。
その古巣へ。
2年生に配属されました。
職員の顔ぶれを見て、びっくり。
ほとんどA中で一緒に仕事をしていた人たちでした。
先にA中から異動していたのです。
「大変ですが、がんばりましょう」
「久永先生は、5組を担任していただきます。Mというオオモノがいますが、よろしく!」

「大変な」状況は、すぐにわかりました。
学校全体が騒然としていました。
教室へ行っても全く落ち着きがありません。
この年の学級通信を見直して見ますと、
5月6日付 第21号と第22号には、全員に書いてもらった、クラスの「よいところ」と「わるいところ」を載せています。
よいところ…明るい。意見を出し合える。みんな仲が良い。発言が多い。思ったことを言える。(よいところは)べつにない。
わるいところ…すぐうるさくなる。授業中私語が多い。うるさい。だらしない、しゃべりすぎ。
うるさくなると、とまらない。授業態度がわるい。集中力が欠けている。
「うるさい」「私語が多い」が多数。
どんな状況か、想像できるでしょうか。
3年生は、これに輪をかけて騒然としています。
そして、3年生のつっぱりグループが、「生意気だ」と目をつけた1・2年生を呼び出してリンチすることが多発。
職員は、その対応に追われます。
学校に、近所の方から「中学生が、○○でタバコを吸っている」「騒いでいる」…という通報が毎日のようにあります。
毎日、クルマで通勤しながら、「きょうは、何が起こるかな」と緊張感をもちながら、「笑い飛ばすしかないな」と心に決めました。
さて、3年生からのリンチには困りました。
暴力行為には毅然と怒り、謝罪させます。
2年生には、2年の職員が一致団結して、口酸っぱく言い続けました。
「きみたちが、3年生に言われたり、やられたりしたことを、絶対に下級生にやるな!」
「この学年で止めるんだ!」
そして、学年の職員で話し合いました。
「A中でやってきたように、体育祭をブロック制(縦割り学級制)でやろう! そうして、上級生と下級生の正しい関係をつくろう!」「〝善は急げ〟 今年からやろう!」

「上級生と下級生の関係を正しいものにしたい」という思いは、全職員が共有しているものです。
この提案が、職員会議で可決承認されました。
生徒たちへも提案。
3年生の中にも、この状態をなんとか改善させたいと思っている子も多くいるはずです。
3年生のクラスがリーダーシップを発揮し、競技や演技で1・2年のクラスを指導するのですから、わるい気はしないでしょう。
大繩跳び、綱引き、大ムカデ、応援タイムなどがブロック種目で、1年2年3年の混合チームなので、1年から3年まで協力しなければなりません。
そして3年生が指導学年です。
2年5組は、3年2組、1年2組と組んで〝黄ブロック〟を構成。
当日は、盛り上がり、たいへん楽しい体育祭になりました。
3年生はみごとリーダーシップを発揮してくれました。
学校が一気に変わりました。
- 体育祭の感想(「黄色ブロックのよかったところ」)から
- (2年5組学級通信 第104、106号)
- 3年生を中心にまとまっていた。
- 上下関係が全然なくてよかった。
- 3年の指導がよかった。
- 先輩はやさしく、みんな励まし合っていて、協力してやっていた。
- 応援タイムの時、2年生の応援団+3年生の応援団がすごい声を出してよかった。
- 先輩、後輩関係なくよかったところとか悪かったところを言えた。
- 2・3年がいっしょに全員リレーの練習をやった。

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