子どもが主人公の学校に!(10)
ブロック制(縦割り学級制)の体育祭㊤ ~A中の体育祭~
S中は、A中に学んで体育祭をブロック制にして、〝荒れ〟を克服していきました。
A中の体育祭の評判は以前からS中にも届いていました。
A中では、ブロック制体育祭を、良き伝統として続けてきたのです。
その狙いは、前回の述べたように、3年生が1・2年生を指導し、指導―被指導の関係を築いて、自治活動を全校のものにするということです。
同時に各学級の自治活動を発展させることができます。
自治活動が二重に構築されることになるのです。
体育祭は、ほとんど全て3年生が中心となって取り組むので、1・2年生の学級担任はたいへんラクです。
次々に3年生から指示・指導があるので、それに応じてクラスの活動をつくっていきます。
たとえば、3年生から「1時20分に、外の砂場の所でブロック集会をやります。きょうは、演技の練習と大縄跳びの練習をするので、縄を持ってきてください」などと指示がきます。
それに応じて、動きます。
クラスの競技係が縄をもっていきます。
砂場へ行くと、3年生が先に来て並んでいます。
「1年生は、ここに並んでください!」

ブロック全クラスが集合したら、3年生のリーダーたちが前に出て、進めていきます。
「ブロック長から」「演技長から」「競技長から」…。
「きょうの予定と目標」「演技練習の目標と注意点についうて」「競技練習の目標について」…、3年生のリーダーが適切に指示をします。
1・2年生は、指示にしたがって練習します。
同時に、指示の出し方、リーダーとしての動き方を直接学ぶのです。
3年生は、どのように指示を出したらいいか、どんな内容と話し方が大切かを学び、日に日に指導力が身についていきます。
練習が終わると、「きょうのまとめのブロック集会」。
その日の到達点と次の目標を3年生が提起します。
その後に、3年生の指導部と1・2年生の代表(学級委員と体育委員)が集まって、打ち合わせ。
次の日に向けて意志統一を図ります。ブロックの先生たちもそれに参加し、「ここは、こうしたらどうかな?」などとアドバイスします。
先生たち同士でも話し合いを持ち、改善点を出し合います。
子どもを主人公にして体育祭をつくりあげる、すぐれたシステムができているのです。
A中体育祭には、3つの要素があります。
- 競技…ほとんど団体種目で、大ムカデ、 大縄跳び、綱引き、全員リレー、選抜リレー
種目ごとに1位から3位まで表彰されます。全種目の得点合計で総合順位が出ます。 - ブロック演技…ブロック全員が参加する4分間の創作ダンスです。
夏休み中に3年生が音楽と、それ合わせて踊る演技の振り付けを考え、3年生の指導で全員がグラウンドいっぱいに踊ります。
審査され、最優秀賞と優秀賞が出ます。この応援演技が、見もので、最優秀賞を獲得するのは大きな栄誉になります。 - 応援賞 各ブロックが応援のパフォーマンスを考えます。
これも3年生が考え、ブロック全員で行います。
声の大きさと応援のカッコよさが重要になります。
各競技にたいしてやっている応援と、各ブロック2分程度の応援合戦の時間があります。
これが採点され、最優秀賞と優秀賞が出ます。
1(競技部門)1~3位のブロック、2(演技部門)の最優秀ブロックと優秀ブロック、3(応援部門)の最優秀ブロックと優秀ブロックには賞状が出ます。
さらに、 1(競技部門)の優勝ブロック、2(演技部門)の最優秀ブロック、3(応援部門)の最優秀ブロックには「〇〇年度 ◇ブロック」というリボンが付けられた、立派な優勝旗が渡されます。

各ブロック、「3冠」(3部門全てでトップに立つこと)を目標に、がんばるのです。
もちろん、結果はそうはいかないものです。
「賞」はもらえなくても、どのブロックも悔しさを滲ませながらも、築いたブロックの仲間の連帯感、みんなでやりきった達成感と感動に包まれます。
さわやかな、晴れ晴れとした空気に包まれます。
こういう達成感や感動は、学校でなければ成しえないことではないでしょうか。

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