子どもが主人公の学校に!(12)
ブロック制(縦割り学級制)の体育祭㊥-2 ~A中の体育祭~
縦割り学級制の優れている点は、第一に、上級生と下級生との間に、力の差による支配―被支配の上下関係ができるのを排し、互いに尊重し合う民主的な関係を築くことができるということです。
3年生は、指導学年として、競技でも演技でも応援でも仕事でも下級生に、「どうやったらいいか」「どうしたらうまくできるか」教えます。演技(ダンス)はその典型です。とくに1年生は、初めてなので呑み込みがわるい子も多いのが現実です。細かい動きが多いダンス。いきなり全体練習では伝わらないことに、3年生は気づきます。そこで、下級生を数名ごとの少人数のグループに分けるのです。呑み込みのわるい子に、「これぐらいできないのか!」「イイカゲンに覚えろよ!」などと大きな声を出すことは逆効果だということを学びます。いろんな子がいるということを学びます。急かさず、ゆっくりと丁寧に接すること、3年生は自らやって見せて、ダンスの動作を一つずつ粘り強く教えていくことが大切だということを学んでいきます。グループには2年生も入ります。
できるようになった2年生に、1年生に教えるのを頼みます。中間学年としての2年生の役割もできます。上級生は〝恐い〟のはないかという不安が解消し、優しさと信頼に変わっていきます。

第二に、ブロックの活動(練習)を通して、各クラスの自治活動が高まってきます。1年生から3年生まで、それぞれのクラスで、「ダンスをどう覚えるか」「それぞれの競技の練習をどう進めるか」「応援でもっと声を出すには…」と課題ができます。各クラスのリーダー(集団)を中心に、自分たちで練習を積み上げていく取り組みが必要になります。ブロック制は、各クラスが育っていく大きなチャンスでもあるのです。そういう特性を含んでいるのです。
第三に、とくに3年生のクラスの自治的な力が格段に伸びます。1・2年生にとっては、3年生全員が指導的立場の〝先輩〟になるわけです。3年生はほとんどの子が、競技・演技・応援・仕事のどれかを担当し、1・2年生を指導する側になります。3年生同士が協力して、その任にあたらなければなりません。自分で(自分たちで)どんな指示を出して、どのように1・2年生を指導するか考え、行動に移さなければなりません。ある年、私が3年生の学級担任だった時のことです。
ダンスを1・2年生に教えるために、だれがどのグループに教えるか、3年生の中で分担を決めました。Hくんは照れ屋で引っ込み思案です。演技担当のAさんが「Hくんは、1・2年生に教えるのを全然やってくれません。どうしたらいいですか?」と相談にきました。私は「まだ始まったばかりだから…。もう少し様子をみよう」と返しました。数日後だったでしょうか。Aさん「Hくん、やってくれるようになりました!」私も様子を見に行ったら、Hくんは、私も見たことがないくらい、生き生きと1・2年生にダンスを教えていたのです。
第四に、体育祭で築いたブロック制が、思わぬところへ派生して広がっていく可能性があります。
A中では、9月の20日前後に体育祭を行い、その後に合唱祭があります。合唱祭はクラスごとの取り組みですが、自然発生的に、合唱の練習で交流が生まれてきました。互いに教室へ訪問して、合唱を聴き合って、感想を述べあったり、上級生からアドバイスしたりすることが生まれてきました。
「3年生から学んだこと」より ~1-1学級通信№107(2011.10.7)~

- とりかくがんばること。あきらめないこと。一所懸命応援すること。
- 優しく教えてくれて、優しく教えてあげるとこんなにまとまるということがわかりました。
- チームワークとか、いろいろ教えてもらった。
- ダンスはみんなでいきを合わせてできた。3年生が教えてくれたからできた。
- 演技の練習で分かりやすく教えてくれて、見本として3年生だけで踊ってくれて、細かいところまでよく分かりやすかった。
- 下の学年に分かりやすく教えてくれました。
- 賞はとれなくても、諦めずに挑戦すること。
- わからない人にやさしく教えること。
- おどりを優しくていねいに教えてあげることと、話す時はしっかり話すこと。
- 何がなんでもあきらめない心。
- がんばるコト! 3年生は、私たちのめんどうとか見なきゃいけないけど、競技練とかも気をぬかずにがんばっていた!
- すごく優しくしてくれたので、自分が3年生になったら今の3年生みたいになりたいと思いました。
- 他のブロックがゴールして緑ブロックだけがまだゴールしていない時、ゴールするまでちゃんと応援すること。最後まであきらめない。
- 3年生がダンスを考えたり、応援の練習にきてくれたり(教室)、大変なのに頑張っているのが、すごくうれしかったです!!
- 一致団結してみんなで何か一つの事をやりとげるという、すばらしい感動を学びました。
- ダンスを教えるときは、優しくわかりやすく教えること。でも、ときどき厳しくすることを、3年生から学びました。
- 男子も女子も力を合わせれば、いい演技が出来るんだと思いました。
- 勝ち負けなんか関係なくて、楽しめればイイってことを学びました。一生懸命がんばればすごく楽しいことも教えてもらいました。
- みんなで力を合わせてやれば、たった2週間でスゴクいいものができるんだなあと思いました。
- とても3-3のチームワークが良かった。みんな仲が良かった。

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