実践

民主的なクラスのつくりかた(4)

クラスづくりの3要素① 班

個が成長するシステム ~クラスの活動を班で~

係活動や掃除その他クラスの仕事をできる限り班でやります。係や掃除から始め、学習へと高めていくことが目標になります。6~7人(30人以下の少人数学級が実現すれば、4~5人ということもあるでしょう)で話し合い、助け合い、協力する関係を築くためです。その中で、一人ひとりが成長していきます。

人間は一人では生きていけません。直接的には周囲にいる人たちとつながる関係を築く中で学び合い成長していくものです。それは、自分の経験からもいえることです。職場にいる教師たちと学び合う関係を築けたからこそ、私自身も成長してきたと思います。

係の仕事を個人係でやる例もあります。責任感が身に着くから、と。本当にそうでしょうか。仕事をきちんとやりきって責任感が身に着く子もいるでしょう。しかし、できなければ周囲から非難を浴び自信を失いかねません。そもそも、責任感を身に着けることが大事なのでしょうか。できなければ人に頼っていい。頼れる仲間がいる。相談する仲間がいる。その中で、自立する力を育てることが大切ではないかと私は考えます。

1947教育基本法・第1条が想起されます。

〔教育の目的〕教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。

仲間と話し合い(時には批判しあうことあるでしょう)、助け合い励まし合い、力を合わせて活動する。その過程で、クラスぜんたいからも信頼され、責任感も育っていく。そういうものではないしょうか。

個人係が相応しいこともあると思います。それは個人係でもいいと思います。そういう柔軟性は必要です。私も、クラス替えがあって前のクラスで個人係があまりに浸透していて、これを急に班係に切り替えるのに困難を感じ、はじめのうちしばらくは個人係でやったこともありました。

というわけで私は、クラスの係・掃除など日常的な活動は原則として班で行いました。

提出物を集める時は、「班で集めて!」ということもありましたし、机の列で「後ろから集めて!」ということもありました。なんでもかでも班でやったわけではありません。個人のプライバシーに関わることもあります。「希望者はあとで個人的に来てね」ということももちろんありました。

ここでおさえておきたいのは、あくまでも〝班〟は、個が成長するためのシステムだということです。このシステムをどこでどのように取り入れるかということが大切になります。

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