実践

自治をめざすクラスづくり(13)

最初の班替え㊤

 4月、新学期が始まって3週間ほど経った頃、2人の学級委員を呼びました。

※名前は全て仮名です

「クラスの様子はどう?」(担任)
「みんな仲良くて、いい感じです」(森山)
「ぼくもそう思います。授業もよく集中していると思います」(滝田)
「悪い点はない?」(担任)
「おしゃべりが多い時もあるかな」(滝田)
「班によって差があります」(森山)
「どういうこと?」(担任)
「他の班にくらべて4班がちょっと、私語も多いし、係の仕事ができてないことがある」(森山)
「班替えをした方がいいと思うんだけど、どうかな」(担任)
「班替えした方がいいと思います」(森山)
「滝田くんは?」(担任)
「ぼくも、班替えに賛成です」(滝田)
「滝田くん、どうして班替えした方がいいと思う?」(担任)
「それは……」(滝田)
「森山さんは?」(担任)
「班で、差ができたからじゃないですか?」(森山)
「その差は、今後改善していけそう?」(担任)
「難しそう…。だから班替えした方がいいんですね」(森山)
「さすが学級委員、大事な所に気が付いたね。改善が難しい班をそのままにして1組はもっとよくなれない。だとしたら、班替えをしなくてはならない。ところで、森山さんは、1組をどんなクラスにしたいと思ってる?」(担任)
「自分たちで話し合って、できるだけ何でも自分たちでできるクラス」(森山)
「滝田くんは?」(担任)
「やっぱり、自主的にできるクラスがいいです」(滝田)
「だとしたら、今の班ではまずいという所ない?」(担任)

2人とも「……」

「今の班は、だれが決めたっけ?」(担任)
「出席番号順に座っていた席で決めた」(滝田)
「だれが決めた?」(担任)
「アッ、先生だ」(森山)
「班長はどうやって決めた?」(担任)
「各班で話し合って決めた」(滝田)
「各班、どうやって決めた?」(担任)
「立候補で決めた班もあったし、じゃんけんで決めた班もあった。アッ、わかりました。班は先生が決めたし、無理やりやらされた班長もいる。これじゃ自分たちで決めたんじゃない」(森山)
「そうだね。先生に決めてもらった班でいい?」(担任)
「ダメです」(滝田)
「ダメです」(森山)
「立候補で決まった班長と、そうではない班長と、どっちがいい?」(担任)
「そりゃもちろん立候補の方がいいです」(滝田)
「どうして?」(担任)
「立候補の班長はヤル気がある!」(滝田)
「そうだね」(担任)
「1組が前進するためには、班替えをしなくてはならない」(滝田) 
頷く森山さん。
「クラスみんなに、班替えを提案しよう」(担任)
「そうしましょう」(森山)
「そうしよう」(滝田)
「それじゃあ、2人でその原案を作ってくれるかな」(担任)
「原案って?」(滝田)
「何を書けばいいか教えてあげるから、学級委員さん、やってみる」(担任)
「原案、つくってみます」(2人)

私(担任)が、書く項目だけ助言して、中身は学級委員が書いた原案ができました。
それが学級総会に提案されました。

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