褒める①
当たり前のことが当たり前にできたことを褒める
子どもは、褒められて伸びます。
4月、新しいクラスがスタートしたら毎日、クラスのよい所を探して、朝の会や帰りの会や学活の時間などで褒めます。
褒める原則は一つだけです。
私(担任)が、本当に心から、〝素晴らしい〟〝素敵だ〟〝嬉しかった〟と思ったこと・感動したこと伝えるということです。
私たち教師は、子どもたちを特別な偉人やエリートに育てたいわけではないでしょう。自立した普通の人間に育てたいと思っているのではないでしょうか。
だとしたら、特別図抜けたことができなくても、普通のことが普通にできることこそが大切ではないか、子どもが少しがんばってできたことは十分褒めるに値することではないかと思うのです。そういうことに感動を覚える琴線が求められるのではないかと、10年ほど経って気が付きました。
移動教室の時、教室を最後に出たAさんが、ドアを閉めていきました。
「そのくらいのこと、できてあたりまえじゃないか」という前に、想像してみましょう。
Aさんは、最後になってしまって急いでいたでしょう。でも教室を出る瞬間、「最後だからドアを閉めなくちゃ」「ドアを閉めた方がいいだろう」と思った(心が動いた)。そういう心遣いができるって、素晴らしいことではないでしょうか。〈感動〉とは心が動かされることです。Aさんの心の微妙な動き、その美しさに感動します。そういう小さな感動を大切にしたいものです。
「Aさん! きのう、○○の時間、ドアをちゃんと閉めてくれたね。ありがとう!」
学級通信に記録したことから、いくつか紹介します
◎着任式・始業式、きちんとできました!
着任式と始業式のために体育館へ行きました。ろうかに並ぶのも、体育館への移動も、体育館で座席に着くのも、指示通りにテキパキできましたね。着任式・始業式のあいだ、私語などもなく、きちんとできました。
◎話をちゃんと聞ける!
まず担任から、自己紹介を含めお話をしました。全員がしっかり話を聞いていましたね。まず、人の話をちゃんと聞けるということは、とても大事なことですね。
(以上、2年1組学級通信 2002.4.8 )
◎(始業式の日)机と椅子をもって新教室に入りました。
私が教室に行くと、何も言わなくてもみんな席に着いて静かにしてくれました。学活始まりの9時50分、全員ちゃんと席に着いていました。素晴らしい! なんといっても自分たちで静かにできるのが素晴らしい!「おしゃべりをやめよう」と注意する必要がありませんでした。感動!!
◎最初の学活。
(出席確認後)はじめに、私が話をしました。みんなちゃんと話を聴いてくれました。
私が沖縄の歌をうたったら、みんなが大きな拍手を送ってくれました。
嬉しかった。 (以上、2年5組学級通信 2012.4.6)
◎一昨日の2時間目。学年で、体育館で合唱練習をしたあと、5組にひな段を片づけてもらいました。
みんな、いやがらずにどんどん机や椅子を運んでくれました。5組、とてもさわやか! (2年5組学級通信 2012.4.12)
◎きのうの歯科検診のときです。「お願いします」「ありがとうございました」と自然に、しっかりとあいさつできた人がいたそうです。すばらしいことです。そばにいたK先生も感心していました。
◎出席をとる時、席に着いている人が増えてきました。24日はほとんどの人が座っていたのでスムーズに出席をとることができました。N先生も「1組はチャイム着席を意識している子が多くていいですね」と言っていましたよ。
(以上、2年1組学級通信 2000.4.25)
◎机と椅子に名前のラベルを貼りました。また、校章を配りました。「各班で取りに来てください」と指示すると、どの班もテキパキと行動してくれます。机と椅子にラベルを貼ったあとのゴミも、みんなちゃんとゴミ箱に捨てていたね。当たり前のことだけど、それが大事なのです。自分のゴミだけでなく、気が付いて友だちのも捨てていた人もいました。すばらしいね。(1年1組学級通信 1999.4.8)
◎「先生、名前が間違っています!」と「チャレンジ」(学級通信)のミスを教えてくれました。ありがとう。そして、ごめんなさい。 (1年1組学級通信 1999.4.9)
◎掃除が始まる時、イスを机の上にあげて前へ運びます。きのう、Oくんは、自分の席の前の、休んでいるUくんのイスを机にあげて運んでくれました。心やさしく、あたたかい行動ですね。 (3年5組学級通信 1990.4.11)
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