理論

民主的なクラスのつくりかた(10)

班替え

いつ班替えをするのか?

各班が活動を進めていくうちに、どうしても班替え(班の編成替え)をしなければならない時がきます。

2つのケースが考えられます。

一つ目

ある班の活動が停滞し改善が見込めなくなった場合です。ある班がやる気を失い、帰りの会で要求されても改善できない状況に陥れば、クラスとしては前進できません。その班にとってもクラスにとっても不幸な事態です。そういう時には、班を作りなおす必要があります。消極的な理由による班替えといってもよいでしょう。

最初の班は、出席番号順で先生がつくり、立候補の班長あり、じゃんけんで決まった班長あり、押し付け班長ありという矛盾に満ちた班ですから、もともと班替えが必要になる火種を孕んでいるのです。それに気付かせるために仕組まれた班だったといってもよいでしょう。

二つ目

班替えをする時にはまず、クラスのよい点とわるい点を明らかにし、概ね一月~二月を目処にクラス目標を決めます。そのクラス目標を達成するための班編成をします。クラス目標が達成できれば、その班の役割は終了したことになりますから、クラスをさらに前進させるために班替えをする必要があります。班替えなくしてクラスの前進はありません。積極的な理由による班替えといえるでしょう。

例えば、授業中の私語をなくすことがクラスの目標になれば、私語が少なくなるようなメンバー構成にし、班長が私語を注意できる人間関係を築いていけるようにしていかなければなりません。

班替えの重要性と原案の作成

班は、そのメンバー同士で毎日の生活と学習の活動の上で緊密に人間関係を築いていく集団です。ですから班替えは、クラスにとってきわめて重要な通過点になります。新たなメンバーで生活し学習する関係を築いていくことになります。クラス内の人間関係をさらに広げ深めていくことになります。班替えをすることによってクラスは前進します。

当然、学級総会で討議される案件になります。原案には、学級分析、学級目標、班替えの仕方、班長の選出方法などが書かれます。最初は、先生提案でいいと思います。学級委員等に原案のつくりかたを教え、生徒に原案をつくり提案する力をつけていきたいものです。

最初の班の経験から、班長は全員立候補で決めるべきだということに気付かせたいものです。班長会(学級委員も参加)で班編成をします。

班編成のやり方として考えられるのは、だいたい次の3つです。

  1. くじ引き
  2. 好きな子同士
  3. 話し合い

③がベストなのです。①や②に決まっても〝よし〟としますが、原案づくりの時点で理由を糾します。とくに①については「えー!運にまかせるのー?」と苦言を呈しておきます。

②や③では早晩矛盾が露呈するでしょうから、それを乗り越えていくことが大切だと考えます。

遠足・キャンプ・修学旅行は、学年統一で日常の生活班で実施します。(かつて、その行事だけの特別の班をつくったこともあったようですが、「それはやめて、日常の班でやりましょう」と私が学年会に提案し合意しました) 

私の経験では、1・2年生は年間5~6回、3年生は4~5回班替えを行いました。このくらいの回数班替えをしないと、なかなか自治をめざすことはできないと思います。

関連記事

コメント

この記事へのコメントはありません。