実践

自治をめざすクラスづくり(21)

3学期は、おしるこ大会! ~クラス行事をつくる~ 

2学期は期間も長く、体育祭・文化祭・合唱祭などの大きな行事が集中しています。(行事をどうとらえ、どう取り組むかについては、後述します)

3学期は短く、卒業式はありますが、他に大きな行事はありません。私が勤めた学校では、生徒会主催で〝3年生を送る会〟というのがありました。これは、私が重視していた行事の一つですが、クラスというより学年の取り組みでした。

クラス行事がない。だったら、つくればいいと考えました。

行事をやる時の必須条件は、〝楽しい〟ということです。

楽しくて、誰も反対せず、簡単にできることとして、毎年のようにやったのが〝おしるこ大会〟です。

子どもたちに提案すると、「賛成! 賛成!」

なかには、「ぼく、おしるこの甘いのキライなんです。餅だけ食べてもいいですか?」

という子もいました。

「もちろん、いいとも!」

ホームルームの時間が6時間目にある金曜日に設定しました。昔のストーブは、上の蓋の部分に直接炎の熱が上がります。その上にアルミホイルを敷いて餅を焼くことにしました。ストーブの近くに座っている子が、餅焼き係。5時間目から焼くので、5時間目授業の先生には、低姿勢で

「あのお、ちょっとお願いがー」

「何ですか?」

 是是云云説明し、

「…というわけで、授業にお迷惑になると思いますが、よろしくお願いいたします。

 教室に餅を焼く匂いもすると思います。授業に集中できないようであれば、途中でやめさせてください」

「楽しそうで、いいですね」という反応はありましたが、「そんなのは困る。ダメだ」と言われたことは一度もありませんでした。

ブルーヒーターに替わってからは、自宅からホットプレートを持ってきて、6時間目に餅を焼きました。

餅は、一人1個は私が保証。もっと食べたい人は持参するようにと伝えました。ほとんどの子がプラス1個2個3個と、持ってきました。

庁務員室に大きな鍋があるのでそれを借りました。市販の缶詰のゆで小豆を薄めて火にかけました。

子どもの持ち物は、お椀とお箸、それに追加の餅。

忘れると可愛そうなので、私が割りばしと庁務員室にあるお椀を用意しておきましたが、

忘れた子はいませんでした。宿題を忘れても、お椀とお箸と餅は忘れません。

当日当時間。

教室中に、焼いた餅の匂い、お汁粉の匂いが充満。

「おいしい!」「おいしい!」「あまーい!」

「甘いのキライ」と言っていた子もお汁粉食べています、おいしそうに!」

 少し余分に切り餅を買っておいたので

「もっと食べたい人、どうそ!」

「くださーい!」「わたしも!」

「自分で焼いてね!」

「はーい、焼きまーす!」

なにかと世知辛い年度末の一日、3年生は受験受験で追われる日々の一日、みんなでからだも心も暖かくなったひとときでした。

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