教育情勢

24年度教育予算は…

文部科学省が発表した2024年度予算案

文部科学省が発表した2024年度予算案によると、文科省予算は総額5兆3384億円。そのうち文教関係予算は4兆563億円となっています。いずれも前年度比で約400億円の増額です。

《義務教育費国庫負担金》

教職員の定数増は1665人、実質2666人減

不登校・いじめなど生徒指導への対応 減らす

公立小中学校の教職員の給与に充てられる義務教育費国庫負担金は1兆5627億円。前年度比411億円増ですが、定数増に伴う予算増は36億円で、ほとんどが物価上昇に伴う人事院勧告による給与増に充てられるものです。

24年度は小学校5年生の35人学級化で3171人の定数増、小学校高学年の教科担任制の強化で1900人の定数増などで、合計5660人の定数増が図られています。

そのうち、「概算要求」では不登校やいじめなど「中学校における生徒指導」など「様々な教育課題への対応」に400人の定数増を求めていましたが、予算案では150人に削減されました。

このほかに、定年引上げに伴う特例定員として4331人の増員があり、合計9991人の定数増になります。

一方、子どもの減少による教職員定数の「自然減」で7776人の定数減。学校統廃合などに伴う教職員の配置見直しで550人の定数減。合計8326人の定数減です。

定数増と定数減の差し引きで1665人増となります。

定年延長という要因を除くと、実質2666人減となります。

《その他の教育予算から》

◇中学・高校で部活動指導が、教員の長時間労働の要因の一つになっています。

これに対応する予算は、わずかな増額にとどまっています。

  • 「地域クラブ活動への移行に向けた実証事業」 …12億円(前年度比1億円増)
  • 「中学校における部活動指導への配置支援」  ……18億円(前年度比4億円増)
  • 「地域における新たなスポーツ環境の構築」 …… 3億円(前年度と同額)

◇「学校保健の推進」に5億円、「学校給食の推進・食育の充実」に1億3300万が計上されていますが、給食無償化の予算は計上されませんでした。

◇4月18日に「全国学力・学習状況調査」が、小学6年生と中学3年生を対象に実施されます。(今回は、小6が国語・算数と質問調査、中3が国語・数学と質問調査)

その委託企業と予算(落札価格)は次のとおりです。

小学校 …… 株式会社内田洋行 19億7560万円

中学校 …… 株式会社教育測定研究所 17億7245万1000円

◇「GIGAスクール構想の着実な推進と学校DXの加速」に約29億円

               (23年度補正予算で 約2705億円)

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