リコール
班長や生徒会の委員は選挙あるいは信任投票によって選ばれ(信任され)、係は学級総会で決定されますが、それぞれの仕事が全うされないということもあります。
係の仕事が方針通りに実行されないと、クラスのみんなが大変困るということもあります。
例えば、黒板係が毎時間の授業の後に黒板をきれいにしなければ、次の授業に支障を来します。
牛乳係が毎日牛乳を運んできて配り片づけることをしないのも困ります。
それがたまのことで、帰りの会で要求されて改善すればよいのですが…。
帰りの会係が、毎日のように帰りの会を時間通りに始めず会をちゃんと進められず、改善を要求されてもできなければ…。
学級委員がクラスのみんなを守るではなくいじめの先頭になって悔い改めようとしなければ…。
そういう場合のために、〝リコール〟というシステムがあるということを教えておく必要があるのではないかと思います。
リコールが導入されるのはよっぽどの場合なので、忙しく過ぎてしまう一年間の中で教える機会を逸してしまったことがほとんどでした。
主権者として自立した人間を育てていくことが教育の目標であれば、リコール制も言葉だけでなくどこかで実践的に教えておく必要があるのか、あるいはそこまでやる必要はないのか、議論の余地があるのかもしれません。
私は、クラスに前向きな空気がある中で、ほんの何回か(1回だけかもしれません)リコールに取り組ませたことがあります。
ちゃんと係の仕事をしない班に対して、「あの班、困るよね」という批判の声が高まった時、批判を強めている班長に、
「やめさせることもできるよ」
「どうやってですか?」
「議長(先生)に学級総会の開催を要求し、○○班は係の仕事をちゃんとやらないで要求されても改善しないので、係の仕事をやめてもらいたい!代わりに私の班でやります、とね」
「わかりました。班のみんなと相談してみます」
数日後、学級総会でその班が○○班に対してリコールを要求し、激論に…。
討議の末、採決ではリコールに賛成する班が多数になり、○○班は係の仕事を奪われ、失業してしまいました。
悔しさをにじませた○○班には、新しい係を創設し、その承認をクラスに求めるという取り組みをしました。
○○班にも温かい拍手が送られました。
それが、何年の何年何組のことだったか、忘れてしまいました。
学級通信の記録の中から探し出せたら、実践編の中で紹介したいと思います。
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