行事の実践3 合唱祭
1995年度2年7組編
自由曲を決める! 自由曲は、「春に」
〝新しい曲〟からか、〝やった曲〟も含めるかで論戦
▲自由曲の選曲については、何十本もあるテープを全員で聴くのも困難があるので、合唱委員・指揮者・伴奏者がまず候補曲をいくつか出すことになりました。
▲そして、3曲をみんなに提案し、(合唱委員・指揮者・伴奏者は、昼に何回もあつまってテープやCDを聴いて選曲しました)、みんなにテープやCDを聴いてもらいました。
▲合唱委員・指揮者・伴奏者は、「A中で、いままでにやっていない曲にしよう」と話し合って提案したのですが、帰りの会で1班から、「去年やった曲でもいいではないか」という意見が出されました。
▲これについて、合唱委員・指揮者・伴奏者は、「やっぱり新しい曲をやった方がよい」という見解を表明し、ちょっとした論戦になりました。
リーダーたちは、
「前に(他クラスが)やった曲だと、みんなが知っているし、すぐおぼえられるのでだらだらしてしまう」「テープやCDを聴けば、どこをどうすればいいかもわかるし…」
これにたいする1班の反論。
「そんなことはない。たとえ前にやった曲でもみんなが歌いたい曲をやる方がいい。テープやCDを聴かなければいい」
リーダーたちの反論。
「新しい曲の方が一からみんなでつくっていけるし、合唱祭の発展にもつながる」
▲どうするか採決した結果、〝新しい曲〟から選ぶという意見が多数を占めました。
▲あらためて、「春に」「風がめぐるとき」「友よ北の空へ」の3曲が提案され、10日(金)にそれぞれ何回か聴いたあと、みんなの投票をおこない、圧倒的多数の支持があった「春に」に決まりました。
谷川俊太郎の詩に木下牧子が曲をつけた、中学生の心情にピッタリくる現代的なステキな曲です。
春に
谷川俊太郎
この気持ちはなんだろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらを伝わって
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気持ちはなんだろう
枝の先のふくらんだ新芽を心をつつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする
この気持ちはなんだろう
あの空のあの青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人と
会ってみたい話してみたい
あしたとあさってが一度にくるといい
ぼくはもどかしい
地平線のかなたへと歩きつづけたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい
この気持ちはなんだろう
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