実践

自治をめざすクラスづくり(41) 行事の実践3 合唱祭

行事の実践3 合唱祭

1995年度2年7組編

自由曲を決める! 自由曲は、「春に」

〝新しい曲〟からか、〝やった曲〟も含めるかで論戦

▲自由曲の選曲については、何十本もあるテープを全員で聴くのも困難があるので、合唱委員・指揮者・伴奏者がまず候補曲をいくつか出すことになりました。

▲そして、3曲をみんなに提案し、(合唱委員・指揮者・伴奏者は、昼に何回もあつまってテープやCDを聴いて選曲しました)、みんなにテープやCDを聴いてもらいました。

▲合唱委員・指揮者・伴奏者は、「A中で、いままでにやっていない曲にしよう」と話し合って提案したのですが、帰りの会で1班から、「去年やった曲でもいいではないか」という意見が出されました。

▲これについて、合唱委員・指揮者・伴奏者は、「やっぱり新しい曲をやった方がよい」という見解を表明し、ちょっとした論戦になりました。

リーダーたちは、

 「前に(他クラスが)やった曲だと、みんなが知っているし、すぐおぼえられるのでだらだらしてしまう」「テープやCDを聴けば、どこをどうすればいいかもわかるし…」

 これにたいする1班の反論。

 「そんなことはない。たとえ前にやった曲でもみんなが歌いたい曲をやる方がいい。テープやCDを聴かなければいい」

 リーダーたちの反論。

「新しい曲の方が一からみんなでつくっていけるし、合唱祭の発展にもつながる」

▲どうするか採決した結果、〝新しい曲〟から選ぶという意見が多数を占めました。

▲あらためて、「春に」「風がめぐるとき」「友よ北の空へ」の3曲が提案され、10日(金)にそれぞれ何回か聴いたあと、みんなの投票をおこない、圧倒的多数の支持があった「春に」に決まりました。

 谷川俊太郎の詩に木下牧子が曲をつけた、中学生の心情にピッタリくる現代的なステキな曲です。

 春に

              谷川俊太郎

 この気持ちはなんだろう

 目に見えないエネルギーの流れが

 大地からあしのうらを伝わって

 ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ

声にならないさけびとなってこみあげる

この気持ちはなんだろう

枝の先のふくらんだ新芽を心をつつく

よろこびだ しかしかなしみでもある

いらだちだ しかもやすらぎがある

あこがれだ そしていかりがかくれている

心のダムにせきとめられ

よどみ渦まきせめぎあい

いまあふれようとする

この気持ちはなんだろう

あの空のあの青に手をひたしたい

まだ会ったことのないすべての人と

会ってみたい話してみたい

あしたとあさってが一度にくるといい

ぼくはもどかしい

地平線のかなたへと歩きつづけたい

そのくせこの草の上でじっとしていたい

大声でだれかを呼びたい

そのくせひとりで黙っていたい

この気持ちはなんだろう

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