いじめ問題にどう取り組むか(10)
Yさんへのいじめについて、放課後全員で話し合う(Ⅳ)
※名前はすべて仮名
私が発言しました。
「そう、人には欠点があるけど、かならず長所もある。Yさんにもたくさん長所がある。みんな、おぼえていますか。選挙管理委員の代理を決めるとき、だれもやってくれる人がいないとき、『それじゃ私が』と手を挙げて、やってくれたのは誰ですか。手を挙げてちゃんと自分の意見も言ってくれるようになった。『仲間はずれが出たらどうするんですか』と。とても勇気のいる発言だったと思いますよ…」
(菊川くん)「手を挙げない人は、何か思っているんだから、言うべきです。時間が過ぎるのを待っているのはサイテイです」 (拍手)
(石田くん)「あいつとしゃべるな、と言われてきました。でも、髪の毛を抜いたりして、やっぱり心配だから…」
(一橋さん)「同じ部活なのに、話し相手にもなれなくて、わるかったと思います」
(山本くん)「遺書を書いて自殺なんてしたら…,先生に相談に行ったYさんがえらいと思う」
(村田くん)「Yさんのことをきらっていました。反省しています」
(芹沢くん)「ぼくも、差別、いじめをしていました。あやまりたい」
(黒川さん)「今言わないと…、ひとごとじゃないんだから、はっきり言おう」
(秋葉さん)「お弁当の時、食べようって言われたけど、いやだって言ってしまいました」
(江藤さん)「グループで授業をやる時、「好きな子同士になっちゃって、Yさんが一人になってしまうのはかわいそうです」
(加藤さん)「先生に話を聞いて、Yさんをさそおうって、友だちに言ったら、私には関係ないと言われて、話すきっかけがなかなかありませんでした…」
(林さん)「私も、さけたりしていたので、あやまりたいです」
(沼田さん)「小学生の時、いじめがあった時、ちゃんと注意していたのに…。できませんでした。自分が弱かったと思います」(拍手)
(秋山さん)「こうやってみんなで話し合ったんだし…、そしたら、Yさんも呼ばなきゃね。電話かけてもいいし、行ってもいいし」
(佐藤くん)「電話というのもよくないと思う。特別扱いしない方がいい」
(秋山さん)「でも、学校に来たくないと言ったのだから、呼ばなきゃ」
(能條さん)「OくんとSさんも、来てほしい」(拍手)
(秋山さん)「今日中に話して、実行しよう」(拍手)
3時に始まった話し合いは、もう5時になっていました。
その後、子どもたちは、「どうするか」6時まで話し合い、行動を起こすことになりました。
(「2年7組学級通信№158 1996.2.9」より)
※名前はすべて仮名
6時までの話し合いで、何が話し合われたかの記録は残っていません。
どう行動するかは、子ども達に任せていたのかもしれません。
たしか、その日、クラスを代表して何人かで、Yさんの自宅へ行き、謝罪し、学校に来るように話してきたように思います。
2日後の2月9日の学級総会で、班替えについて話し合い、Yさんも班長に立候補したという記録がありますので、Yさんが元気をとりもどし、学校に来るようになったのはたしかです。
2月7日の話し合いの反映もあったのでしょう。
班替えについての議論も深まりを見せています。
1月26日に学級総会を行って、班替えを決め、実行しているのです。
それからわずか2週間で、班替えについて討論しているのです。
1月26日に決定し実施した班替えでは、班長は立候補で決めたものの、班をくじ引きで決めていたのです。
これではよくない、と奥田さんから再提案されていたのです。
班替えをどうするかは、クラスづくりにおいてたいへん重要なテーマですが、奇しくも、その論議といじめ問題の話し合いが同じ時期に行われていたのです。
3学期になって、クラスの大きな転機を迎えていたことになります。
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