いじめ問題に取り組む過程で生まれたクラスの変化
班替えをめぐって
2年7組でいじめ問題に取り組んでいる時は、班替えについて議論している時でもありました。
あの話し合いを行った2月7日の10日ほど前、1月26日の学級総会で、6人の女子有志から班替えの提案 がありました。
その概要は次の通り。
「1.26案」
〈クラスの現状分析〉
- 9カ月ほどたったのに、まだ1人でいる人が数人いる。
- 学校へ来ていない人がいる。
- 合唱祭で一つになったのに、分かれてしまって、それを生かしていない。
- 日常生活がおろそかになりがち。(黒板の落書きを消さない、プリントが落ちているなど)
〈班替えが必要な理由〉
- 7組をひとつにまとめるため。3学期にもいろいろ行事がある。
- 日常生活がたるんでいるので、なんとかしたい。
- あと3カ月でクラスがえ。3年生になっても友だちでいられるよう、交流を深めたい。
〈クラス目標〉
- 提出物をしっかりと出す。
〈班替えのやり方〉
- 班編成はくじ引きで席を決め、その後班長を立候補で決める。
この案が過半数の班の賛成で可決され、班替えが実施されました。
ところが、これに疑問を感じたO.Aさんらが2月5日、あらたな班替え案(以下「2.5案」)を提案したのです。あらたな案の、「1.26案」とのおもな相違点は…
「2.5案」
〈クラス目標〉
- 注意しあえるクラスにする。
- 仲間をふやし、友情を深めるクラスにする。
- 一人ひとりが意見をもって発言できるクラスにする。
- けじめのあるクラスにする。
〈班替えのやり方〉
- 班長を先に立候補で決める。
- その後、〝好きな子同士〟(本音が言い合えるから)か、〝班長が話し合って決める〟(休みの人や班員のことを考えながら班をつくれるから)か、のどちらか。
「2.5案」について、2月9日の学級総会で討議しました。
次のような質疑・討論がありました。
目標について
・「現状」では、「学校に来れない人がいる」となっているのに、この点が「目標」にはないのか?
「目標」に入れるべきだ。
・「提出物を出す」というのを目標に入れるべきだ。
提案者の答弁:提案の目標は、大きな目標で、それらの問題は含まれている。
・提案の目標には、具体的にどんなことが含まれているのか?
提案者の答弁:・学校に来れない人を来れるようにする。 ・提出物を出す。
・私語をなくす。 ・プリントが落ちてないようにする。
・チャイム席を守る。 ・掃除の時にはジャージに着替える、などだ。
班替えのやり方について
- 好きな子同士にすると、私語が多くなる。(これまでの経験から)
- 好きな子同士にすると、〝けじめをつける〟という目標と矛盾してくる。
- 好きな子同士にすると、キャンプの時のように、好きな子同士でかたまってしまうのではないか。
- そんなふうに過去をふりかえるのはよくない。好きな子同士の方が本音が言えるのではないか。
- 一昨日(7日)は、好きな子なんて関係なく、みんなで話し合うことができた。好きな子同士だけでなく話し合えることが大事だ。
「2.5案」について、「班がえのやり方」を除いて採決し、多数可決。
次に「班替えのやり方」について採決。「好きな子同士」に賛成した班が2つ。「班長が話し合う」に賛成
した班が3つで(一つの班は棄権)、班長が話し合って決めることになりました。
2学期の中ごろから、班づくりどうやってやるかについて議論してきました。その中で、次のような点が明らかになってきたように思います。
- 偶然で決まる〝くじ引き〟は、やはりよくない。(「こうしよう」という目標に合った班づくりができない。)
- 〝好きな子同士〟は、経験上、どうしても私語が多くなってしまう。そういうことを許し合ってしまう。
- クラスの多くの人が,好きな子同士がよくないことに気づいてきた。班長が目標を考えて話し合う方がいいと と考えるようになった。
「2年7組学級通信№153(1996.1.31)、№160(19996.2.13)より
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