実践

自治をめざすクラスづくり(87)きみにとって学校とは④

きみにとって学校とは(4)

子どもたちといっしょに読みたい!

教室はまちがうところだ

                      蒔田晋治

教室はまちがうところだ
みんなどしどし手を上げて
まちがった意見を いおうじゃないか
まちがった答えを いおうじゃないか

まちがうことをおそれちゃいけない
まちがったものをワラッちゃいけない
まちがった意見を まちがった答えを
ああじゃないか こうじゃないかと
みんなで出し合い 言い合うなかでだんだん
ほんとのものを 見つけていくのだ
そうしてみんなで伸びていくのだ

いつも正しくまちがいのない
答えをしなくちゃならんと思って
そういうとこだと思っているから
まちがうことがこわくてこわくて
手も上げられないで小さくなって
黙りこくって時間がすぎる
しかたがないから先生だけが
勝手にしゃべって生徒はうわのそら
それじゃあとちっとも伸びてはいけない 

神様でさえまちがう世の中
ましてこれから人間になろうと
しているぼくらはまちがったって
なにがおかしいあたりまえじゃないか

うつむうつむき
そうっと上げた手 はじめて上げた手
先生がさした
どきりと胸が大きく鳴って
どっきどっきと体が燃えて
立ったとたんに忘れてしまった
なんだかほそぼそしゃべったけれども
なにを言ったかちんぷんかんぷん
私はことりと座ってしまった
体がすうっと涼しくなって
ああ言やよかった こう言やよかった
あとでいいこと浮かんでくるのに
それでいいのだ いくどもいくども
おんなじことをくりかえすうちに
それからだんだんどきりがやんで
言いたいことが言えてくるのだ

はじめからうまいこと 言えるはずがないんだ
はじめから答えがあたるはずないんだ 

なんどもなんども言ってるうちに
まちがううちに
言いたいことの半分くらいは
どうやらこうやら言えてくるのだ
そうしてたまには答えも当たる
まちがいだらけの僕らの教室
おそれちゃいけない ワラッいけない
安心して手を上げ
安心してまちがえや
まちがってワラッたり
ばかにしたりおこったり
そんなものはおりゃあせん
まちがったって誰かがよ
なおしてくれるし教えてくれる
困ったときには先生が
ない知恵しぼって教えるで
そんな教室つくろうやあ
おまえへんだと言われたって
あんたちがうと言われたって
そう思うだからしょうがない
だれかがかりにもワラッたら
まちがうことがなぜわるい
まちがってることわかればよ
人が言おうが言うまいが
おらあ自分であらためる
わからなけりゃあそのかわり
だれが言おうがこづこうが
おらあ根性まげねえだ 

そんな教室つくろうやあ

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