経験談

自治をめざすクラスづくり(116)教育の目的⑫【今こそ学校に希望を176】

教育の目的(12)

自立の力を育てる

自立の力を育てる厚みのある平面軸とらせん型垂直軸

平面軸

生活と学習の基礎集団である学級を、自治的・自主的集団につくりあげていくことが基盤になります。
「自主的」を入れたのは、国や教育委員会や学校自体に管理主義的な縛りがあることがあっって、自治まで到達できない限界があるからです。
ただ、その枠の中でも、学力を向上できる集団をつくることはできると思います。
集団づくりには、班(小集団)とリーダーと討議が必須であることは述べてきたとおりです。
学級内の子ども同士の質の高い関係をつくっていきます。
私は、何でも言い合って、〝助け合い、励まし合うクラスにしよう!〟と言い続けてきました。
もちろん、過ちや失敗は大事です。揉めることも大事です。

クラスの連合体として、学年集団づくりにも取り組みます。
ここでも〝子どもが主人公〟という

原則を貫き、学年で取り組む行事その他の取り組みでは、取り組む原案は誰がつくるのか。
原案にたいする討議をどのようにするのか、議決はどのようにするのかを考えなければなりません。
いずれにせよ、子どもたちが自分たちで決めることにならなければ、民主主義にはなりません。
実行段階になれば、そのリーダーをどう選出し、リーダー集団をどういう組織をするのかが大切になります(これについても「原案」に盛り込む必要があります)。

中学校であれば、1学年・2学年・3学年の連合体として、全校集団づくりに取り組みます。

同様に原案が用意され、全クラス、あるいは全クラスの代表が集まって開く、議決機関が必要になります。
3学年が指導学年としてリーダーとなるのが至当でしょう。

らせん型垂直軸

1年間の日々の生活・学習の取り組みとその間に織り込まれる行事の取り組みで、らせん階段を、行きつ戻りつしながら昇っていくのです。

学級の目標を明確にして取り組み、生活集団(共同体)から学習集団(共同体)へと高めていきます。
学級の連合体としての学年集団づくり、全校集団づくりを進めていきます。

こうして、学校を構成する全ての教職員と生徒が〝自立行き〟の列車に乗って、車内で議論を交わしながら、いくつもの事件や事故に見舞われながら、切磋琢磨し、〝自立駅〟に向かって行く。
学校における全ての活動が、一人ひとりに〝自立〟の力を育てるという目的で一貫している。

入学式が、その最初の場であり、卒業式がその最後の場である。
一時間一時間の授業がその場であり、毎日の朝の会と帰りの会がその場であり。
毎日の掃除の時間がその場であり、給食の時間がその場であり、文化祭がその場であり、運動会がその場であり。
修学旅行がその場である。
行事は、自立の力を飛躍的に高めるチャンスになる。

学級集団づくり・学年集団づくり・全校集団づくりは、こういう道のり(成長過程)を進んでいくのではないでしょうか。

【教育の目的(自立の力)をめざすイメージ(中学校)】

   高校
   ↑
  3学年
   ↑(らせん階段)
  2学年
   ↑(らせん階段)
  1学年
   ↑(らせん階段)
  自立の力
理性・知性・感性
   ↑
学力…9教科の学習+読書・行事など
   ↑
学級集団づくり・学年集団づくり・全校集団づくり
(日々の生活・学習、文化・芸術の創造)

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