教育情勢

自治をめざすクラスづくり(119)教育の目的⑭【今こそ学校に希望を179】

教育の目的(14)

問われる大人の自立・教師の自立③

「日経ビジネス」で、足尾中学校の校長、原口真一氏へのインタビュー記事を掲載しています。
(検証:出口戦略なき日本のコロナ対策 コロナ禍にマスク自由を掲げた中学校長「同調圧力ふびんでならず」日経ビジネス 2024.3.27)

※そのまま引用します。

コロナ禍にマスク自由を掲げた中学校長「同調圧力ふびんでならず」

この記事の3つのポイント

  1. コロナ禍のさなかに学校でマスク着用自由を掲げる
  2. 空気感染しないことを重視、自らの責任で判断
  3. 10代の子どもの心身の健康を最優先に

新型コロナウイルス禍でもマスク着用自由を貫いた公立中学校が栃木県にある。
感染防止と子どもの心身の健康に影響を与えかねないリスクをてんびんに掛けた時、学校長を務めていた原口真一氏はマスク着用自由を呼びかけた。

その真意とは。

コロナ禍のさなかマスク着用自由を掲げるに至った背景を教えてください。

原口真一学校長(以下、原口氏):コロナ感染が拡大し始めた2020年春、教育委員会からは衛生管理マニュアルの遵守を求められていましたが、そこには「学校長を責任者として保健管理体制を構築する」ことが明記されていました。

つまり、自らの学校の地域の感染状況などを把握しながら、校長自らの責任と判断で対策をするのが基本だったわけです。そこには、感染対策と並行して、目の前の子どもたちの「学びの質をできる限り落とさない」という使命も含まれていました。

私は(厚生労働省の統計に基づきメディアが公表する)実効再生産指数(1人の感染者が次に何人に感染させるかの指標)や自治体、学校区ごとの陽性者数などデータを重視し、パニック的に感染対策に走る社会全体の「空気感」だけで状況を判断しないようにしました。

感染の波は変わらず

コロナは空気感染しないこともマスク着用自由の決め手になったのでしょうか?

原口氏:私がデータとともに重視したのは科学的根拠です。
厚労省は「コロナは飛沫と接触が主な感染経路で空気感染は起きていないと考えられる」と公表していました。

飛沫でいえば5マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以上だと数秒で床に落ちます。
「エアロゾル」という5マイクロ以下だと空気中を数十秒漂いますが、その後蒸発します。
さらにいえばマスクではエアロゾルは侵入するのを防げません。
空気感染しないというエビデンスがあるのに、いつどこでもマスクを着用し続けることに私は当初から疑問を抱いていました。

一日中マスクを着けていると、マスク表面にウイルスがかなり付着しているリスクもあります。
マスクに触った後に、手指を介して口、鼻、目から接触感染してしまうかもしれません。
健康な人がマスクをし続けることは、逆に感染リスクを増やしてしまう可能性さえあると考えました。
ですので、私は厚労省や文部科学省などが作る衛生管理マニュアルを順守しながらどうしても必要な場面以外では「マスク着用自由」としました。

実際、23年5月から感染症法上の位置づけが「5類」に移行し、マスクを外す人が一気に増えましたが、感染の波は22年と21年と同じようなパターンで推移し、大流行も起きていません。

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