教育情勢

学校をどう変えるか(7)【いまこそ学校に希望を223】

学校をどう変えるか(7)  

フィンランドの教育に学ぶ㊤

いま、社会科の教員が足りないということでたのまれて、「会計年度任用」という非正規雇用でN県S市の中学校に勤めています。
1年生で「地理」を教えているのですが、子どもたちから「フィンランドについて知りたい」という声があがり、フィンランド大使館に手紙を出すことになりました。
代表してMさんが手紙を書いたら、フィンランド大使館から何冊もの冊子が送られてきました。

フィンランドの教育について、そこに書いてあることから紹介します。

フィンランド教育の基本原則

フィンランドの教育制度は、一人ひとりに人生を模索する平等な機会が与えられ、選択の自由が委ねられてこそ、国家がその人間的・経済的潜在能力を発揮できるという強い信念の上に成り立っています。

この機会均等の方針は、教育が全段階の大部分において無償であるという事実に表れています。
子どもが18歳になるまで、教材費、給食、遠方からの通学にかかる交通費も支払う必要がありません。
EU/EEA圏の学生も学位取得が目的の場合、高等教育(大学レベル)も無償で提供されています。

フィンランド社会の基盤は「信頼」です。フィンランドには学校ランキングはありません。
その代わりに、学校と教師たちがそれぞれ自己評価を行います。
学校評価はトップダウンで管理する手段ではなく、教師と児童生徒の活動を支援するものであり、監視ではなく育成することの重要性が強調されています。
信頼と協力が必要なのです。

健全な学習環境は、成績評価や競争ではなく、深い観察と支援のなかから生まれるものです。

大多数の子どもや若者が、原則的に最寄りの公立学校に通うのは、地域社会の共同体意識を育むのに役立ちます。

フィンランドは全国の学校間にほとんど差がなく、ほぼ均質な教育が提供されています。
フィンランドの教育制度の要は平等であるため、包括的で質の高い教育制度は公的機関が担い、私立の学校はごく少数です。
私立であっても国のコアカリキュラムに従い、税金を財源としています。

フィンランドのすべて学校は、公費で運営されています。
法律により、すべての人々が全段階で無償教育を受ける権利があります。
さらに学用品や食事など、学校に必要なサポートがすべて追加料金なしで含まれています。

子どもが主役 

フィンランドの子どもたちは7歳から1年生となり、早い段階で将来の進路を選択する必要のない、柔軟な教育制度の下で学びます。
義務境域は18歳まで続きます。

フィンランドの子どもたちは他国に比べ、より少ない授業時間とより少ない宿題で効率的に学んでいます。

フィンランドの学校には共通テストや学校審査はありません。

教育システムの土台は信頼です。
学習科学の専門家である教師に、大きな裁量権が与えられています。
教師の仕事の中心は、すべての子どもたちの成長を支援することです。

教育システムの土台は信頼です。
学習科学の専門家である教師に、大きな裁量権が与えられています。
教師の仕事の中心は、すべての子どもたちの成長を支援することです。


フィンランド教育の目標は、すべての人たちが生涯学習の喜びを享受することです。
教育制度に終わりはありません。
年齢や学歴などに関係なく、誰でもいつでも教育を受けることができます。

(つづく)

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