経験談

新しい年に(1)【いまこそ学校に希望を250】

新しい年に(1)

新自由主義教育の軛から教職員と子どもたちを解放し、真に子どもたちが育つ学校をつくっていくために①

明けましておめでとうございます。

「おめでとう」と言うのが面映ゆくさえ思われる世の中ではありますが、こういう時こそ希望を見出さなければならないと考えます。
いや、むしろ絶望の中でこそ希望が生み出される、とフランクルの『夜と霧』から学び、1980年代に学校が荒れた時に実体験しました。

私は、K県S町で36年間教員を勤めた後、退職して、自然豊かで静かな土地でのんびり過ごそうと考えN県T町に移住しました。
そこへ一昨年(2023年)、「近くの公立中学校で教員が足りなくて困っている。
非常勤講師として社会科の授業をやってくれないか」という話をいただき、「もう少し学校で働くのもわるくないな」と気軽に引き受けました。
引き受けた理由の一つは、S町の中学校は、学年180余人で一学級37~38人で教室にぎゅうぎゅう詰め。
お話をいただいた学校は、学年2学級で1学級30人以下と聞いたからです。
「コ」の字型の並び方で討議が活発にできる理想的な授業ができるのではないか、と考えたからです。

赴任した第一印象は、職員はみなさん真面目で人当たりがよく、子どもたちは落ち着いていて、非常に素直で、気持ちよく挨拶してくれて、いい雰囲気で仕事ができるなあというものでした。

そして何より、校舎が新しくふんだんに木材が使ってあり、各教室にインターフォンがあるなど設備が行き届いています。
それに給食もあるのです。
このM中学校で、気持ちよく働けるなあと思いました。(K県は全国でもっとも中学校給食が実現していない県でした。またK県は季節風が強く、とくに春から夏にかけては校庭の砂が校舎に入り込みザラザラ状態になるのです。
私がいた学校は昭和40年代に建てられ、あちこち傷んでいるのにちっとも直してくれなかったのです)

M中学校で授業が始まりました。
教室に行くと、みんなちゃんと席についています。
教室に「3分前着席!」と掲示されています。
こちらの話をちゃんと聞いてくれます。
適度な反応もあります。
授業がやりにくいとは全く感じませんでした。

ところが……

なんだ、これは?

私は、政府・文部科学省の統制のもと、日本全国どこの学校もそれほど変わりないだろうと、思っていました。
M中学校もそうだろうと。

ところが、「アレ?」と思うことが、出てきました。

1.「無言入場」「無言退場」

始業式、全校集会などで全校生徒が体育館に移動します。
各クラス、並んで移動するのですが、体育館の入口の手前と入口に、数名の生徒が「無言入場」と書かれた大きな画用紙を掲げているのです。
なるほど、どのクラスも、誰も喋っている子はいません。
一人もいません。
式や集会が終わって、退場して教室へ戻る時は「無言退場」と書かれた画用紙が掲げられて、誰一人喋らずに教室へ戻ります。
あとで分かったのですが、画用紙を掲げているのは生活委員の生徒でした。

私の36年間の経験ではなかったことです。
もちろん、体育館に行ったら、並んで静かにします。

学級委員などが注意して静かにさせます。
しかし、入退場の時、なぜ喋ってはいけないのでしょう。

「なんだ、これは?」 最初の衝撃でした。  

(つづく)

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