いじめ問題にどう取り組むか③
小中の不登校 35万3970人 過去最多
いじめ76万9022件 「重大事態」1405件 過去最多
24年度 文科省調べ
いじめ問題は、子ども同士の人間関係、集団の問題
いじめには、いじめの加害者になった者と、被害者になった者とが必ずいます。
先に取り上げたように被害者になった子が自殺に追い込まれるほどになると、いじめが刑事事件となり、警察の捜査対象になります。
それもやむを得ないでしょう。
子ども同士の関係が、対等平等ではなく、力の関係、強い者と弱い者の関係になってしまったところからいじめは起こります。
いじめは必ず、学級、学年、部活などの集団のなかで起こります。

学級の中で〝AがBをいじめた〟という事案が生じたとしましょう。
Aは、BがAの悪口を言っているといううわさを聞いたなど、その直接的な原因があるでしょう。
一方、A、Bと他の学級の成員との何らかの関係性があるわけです。
Aと、非常に近い関係の者、それほど密接でないが比較的近い者、同じ班に属していて授業でも席が近い者、係や清掃など公的な仕事で近い者、あまり話すこともない者、それでも親近感を持っている者、ほとんど関心をもっていない者、嫌っている者…。
Bとの関係も同様です。
もし、Bが他の成員のほとんどから厚い信頼があり学級委員も務めていたなら、おそらくAはいじめの行動には出られなかったでしょう。
逆にBにたいして他にもよくない感情をもっている者がいたなら、それがAのいじめ行動を助長したことも想定されます。
AがBを「気に入らない」と思っていることを、Aに近い子たちが知っていた可能性があるでしょう。
30人もの人間が生活している狭い教室で起こったことです。
いじめの事実を少なからず知っていた可能性が高いでしょう。
それに対して、Aに同調していた子、Bに同調していた子、「なんとかしなければ」と気を揉んでいた子、見て見ぬふりをしていた子…。
いじめ問題は、いじめたAといじめられたBとの、1対1の個人的な問題ではないということです。
いじめは、重大事態になってメディアに取り上げられ、警察が関与するようになります。
警察の仕事は、加害と被害の事実を明らかにして取り締まることです。

学校の仕事は、教育です。
AとBを含めすべての子どもが、「どうすればよかったか」「人間にとって大切なことは何か」「命を大切にするとはどういうことか」ということについて、深く考え話し合うチャンスにすることではないでしょうか。
教室を、すべての子どもが人間らしく育つ場にすることが大切なのではないでしょうか。
いじめは、起きないに越したことはありませんが、先に述べたように、いつどこで起きても不思議ではないという社会状況です。
繰り返しますが、学校・教室を教育の場にしていくチャンスと捉えたいものです。
(つづく)

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