10月4日、文科省は22年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果を公表しました。
不登校 小中で29.9万人 過去最多
全国の小中学校で不登校(年間30日以上欠席)だった児童生徒は、29万9048人で、過去最多、前年度比5万4108人(22%)増えました。不登校の小学生が10万5112人、中学生が19万3936人でした。若干の減少傾向から増加に転じた2013年度から10年間で2.6倍になりました。不登校になった要因は、「無気力・不安」51.8%、「生活リズムの乱れ」11.4%、「友人関係(いじめを除く)」9.2%と学校はみています。約38%の子は、学校内でも外部機関でも相談・指導を受けていませんでした。
いじめ認知68万件 過去最多
いじめの認知件数は、高校と特別支援学校を含め68万1948件で過去最多。前年度より6万6597件(10.8%)増えました。小学校55万1944件(前年度比5万1382件増)、中学校11万1404件(前年度比1万3467件増)でした。
いじめを認知した学校は、小中高で2万9842校、全学校の82.1%でした。
生命・心身・財産に重大な被害が生じた疑いのある「重大事態」が923件ありました。うち、いじめと認知していたのが566件、357件はいじめと認知していませんでした。
暴力行為 9.5万件 前年比25%増 過去最多
暴力行為は、小学校6万1455件(前年度比1万3317件増)、中学校2万9699件(前年度比5249件増)、高校4272件(前年度比419件増)、合計9万5426件(前年度比1万8985件増)でした。
うち、対教師暴力が、1万1973件(前年度比27%増)、生徒間暴力が6万9580件(前年度比24%増)でした。
中学校では2014年度から漸減傾向がみられましたが、同じ頃から小学校で急増してきました。その結果、中学校はピーク時を下回っていますが、合計で過去最多となりました。
児童生徒の自殺も増えています
2022年度は、411人が自死しました。小学生19人(前年度比11人増)、中学生123人(前年度比14人増)、高校生269人(前年度比18人増)が自ら死を選びました。
以上、文部科学省初等中等教育局児童生徒課「令和4(2022)年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について 令和5(2023)年10月4日」より
希望もてる学校・世の中をなんとしても
これらの数字から、子どもと教職員の悲痛な声が聞こえてきそうです。
学校現場の教職員は、相変わらずの長時間過密労働でクタクタ、心も体も疲弊しています。子どもたちは、学力テスト・高校受験……競争原理の教育が押し付けられ、追い詰められています。
学校現場からは、「子どもと話す時間がほしい」「一人ひとりの子どもの声を聴く時間がほしい」「子どもの苦しみや悩みに寄り添うことができない」…という悲鳴が聞こえてきます。
外部の支援体制を強化するとともに、学校を教職員が人間らしく働ける場に、自由にゆとりをもってきめ細かい教育活動ができる場に、しなければならないと思います。悠長に待つ時間はありません。子どもたちは成長の日々を過ごしているのですから。
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