実践

自治をめざすクラスづくり(15)

最初の班替え㊦

立候補で班長を決める

12人が班長に立候補!

立候補者が、一人ずつ 「授業と休み時間のメリハリのある班にしたいです」「授業に集中する班にします」「自分からなおし、私語をなくしたい」などと、決意表明。

一人ひとりに、信任の大きな拍手が送られました。

※立候補者が12人を超えた場合は、選挙を実施します。

「先生が、選挙管理委員を務めます。よろしいですか?」とクラス全員の承認を得て、

投票用紙(ただの白い紙です)を配り、定数の6名連記で投票してもらいます。「隣の人に見せてはいけない。見てはいけない」と秘密投票の原則を教えます。

1年生ぐらいですと、「先生、名前を書くんですか?」と質問する子もいます。「自分の名前は書きません」と無記名の原則も教えます。

また、「立候補者は当然自分も選んでください」と教えます。

新しい班をつくる

放課後、班長会を開き(学級委員も参加します)、新しい班を編成しました。

私も同席し、班長会の様子を見守ります。あまりにおかしな方向へ行きかける場合や、助

言を求められれば発言しますが、できるだけ班長達に任せるようにします。

まず、男女の班長さんの組み合わせ。

話し合いの結果、最初の班と同じでない、1・2年生の時に同じクラスでない、という原則がきまり、班長さんの組み合わせが決まりました。

いよいよ班の編成です。

最初に私が、一つだけ助言しました。

まず、クラスの中でいちばん弱い立場にいる子を、どの班にするか考えなさい、と。

「いちばん弱い立場ってだれですか?」

「よくクラスを見回してごらん」

「ユキちゃんじゃない」

「そうだ。学校に来れないんだもんね」

「わたし、去年も同じクラスで話したことあるし、電話もかけられる」と、山田あかね班長。「じゃあ、あかねの班がいいんじゃない」

「賛成」の声…

「オレ、アキラを班員にほしいね」と、井上班長。

「ダメだよ。それじゃ、私語が増えちゃうよ」という批判。

「そうだ。それはまずいよ」

などと、議論は進みます。

1時間ぐらいかかったでしょうか。ようやく新しい班の編成ができました。

どの班が何班になるかも話し合います。

班の中の席は、2人の班長が相談して決めます。

これについては、私が助言します。

「班の中の席をこの紙に書いてください」

「山下・小池班の席の決め方、いいですね」

「どうしてですか」

「班長はどこに座ってる?」

「後ろ!」

「そうだね。班長が後ろにいると、班員がよく見える。授業中、よい所もわかるし、

注意しなくちゃいけないこともわかるよね。素晴らしいね。いいところは…?」

「マネするんでしょ」

「そうだ」

リーダーは成長すると、(自分は誰と同じ班になりたい)というような私欲は排していきます。成長の過程でそういういう私欲が出るものです。

いわゆる「好きな子同士」。私は敢えて黙っています。自分の私欲とクラスぜんたいの利益という矛盾も抱えつつ、その経験も経て、リーダーは成長し、クラスは前進していくものだと考えるからです。

班替えを実施

次の日の朝。

私(担任)「昨日の放課後、班長会を開き新しい班が決まりました。班長さんたちは、みんなで決めたクラスの目標が達成できるよう、クラスがよくなるように真剣に話し合いました。では、新しい班を発表してもらいます。新しい1班の班長さん立ってください。(2人の班長が立ちます) 班員を発表してください」

1班の班長「1班の班員は、○○くん、○◇くん、◇◇さん、○△さんです」

以下同様に、2班~6班の班員が発表されます。

担任「では、新しい班に移動してください。班の中の席は班長さんの指示に従ってください。 移動はじめ!」

班替えは、日常的なクラスの活動の中で、もっとも盛り上がる時でもあります。

新しい活動が始まるという、フレッシュ感があります。

新しい係

次の日には、学級総会を開き、新しい係を決め、新しい班での活動が始まりました。。

私が要求したのは、〝プラス1(ワン)!〟一つでいいから、改善あるいはレベルアップしよう、ということです。

 

掃除場所も決めました。掃除は、方針といっても、どの場所も「きれいにする」ですし、

決め方にはあまり重点を置かず、各班の希望をとり、重なったらジャンケンで決めました。

掃除の指導については、別項で述べます。

(名前は全て仮名です)

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