実践

自治をめざすクラス34 行事の実践 体育祭㊦1

行事の実践 体育祭㊦1

体育祭をふりかえって

指導部を中心に自治的に取り組み、3-1が到達した大きな峰

体育祭で青ブロックは、競技総合準優勝、ブロック演技優秀賞という、素晴らしい成果を挙げました。しかし、青ブロックが築いたものは、このような〝賞〟をも超えた、より大きな意味のあるものです。

指導部を中心に自治活動 ~3-1の頭脳を結集して~

はじめのブロック集会

青ブロックは、3年1組の体育祭指導部を中心に、ほとんど全ての活動・練習を自分たちで計画し、自分たちで指示・指導してやりきりました。

昼食時間のうちに1-4と2-1に連絡し、ブロック長・体育委員が中心となって練習開始時刻の5分前には「並んでください!」と指示して整列させ、ブロック集会を始めます。

「気を付け!」「礼!」

「お願いします」

「これからブロック集会を始めます」「ブロック長、お願いします」

ブロック長が、その日の予定、練習内容をみんなに伝えます。

「演技長、お願いします」

演技長が、その日の練習内容や練習場所などを伝えます。

「競技長、お願いします」

競技長が、練習する種目と時間を指示します。

「では、練習場所に移動してください」

5分ほどで始めのブロック集会が終わり、練習に入ります。

素晴らしいのは、このかん間、先生が何も言う必要がないということです。「早く並べ!」とか「おしゃべりするな!」とか、「テキパキやって!」「もっと大きな声で!」とか、こういう言葉を少なからず教師が発するものですが、3-1指導のブロック集会では、はじめからその必要がありませんでした。

それどころか、私が昼食が終わり雑用を片付けジャージに着替え、急いで練習場所に駆けつけると、もうすでにブロック集会が終わり、練習に入っていることも何回かありました。

こんなことは初めての経験でした!!

ブロック演技の振り付けづくり

夏休みに入ってから、演技長を中心に演技係が学校や中央公園に集まって、演技をつくっていきました。1組だけでなくどのクラスもそうなのですが、「これから始めます」「デッキを貸してください」……「ありがとうございます」。「終わりました。ありがとうございました」と礼儀正しいですし、終わったあとの戸締りもきちんとしています。

私は全くノータッチで、8月26日の中間発表会の直前に「ダンス、できたの?」と訊いたら、「できました! 大丈夫です!」と心強い返事。1組にはダンスを習っている人はいません。4分間といってもいろんな振りが組み合わさっています。あのカッコイイダンスをどうやってつくっていったのでしょう? きっとみんなで「どうしよう?」「こうしたらどう?」「この方がいいんじゃない?」…などとディスカッションしながら、試行錯誤して作っていったに違いありません。

ブロック演技の練習

8月30日と31日は、演技係が3-1全員に教える日。ほとんどの人が登校して、ダンスを覚えました。2日間で覚えてしまうのがスゴイ!

9月6日からブロック練習が始まり、3年生が1・2年生を指導してダンスを覚えてもらう活動が始まりました。演技長が、1年4組と2年1組の生徒をグループ(班)に分け、それぞれの班に、指導する3年生が複数入るというシステムをつくりました。

1・2年生に教える練習初日は猛暑でしたので、半分校舎内の練習にしましたが。指導部は「外でやった方がいい」と考えていました。全体の様子を見ながら進めていきたいと考えていたのです。

こうして1・2年生への演技(ダンス)指導が始まりました。3年生がまず踊ってみせて、一つひとつ振りを「イチ・ニ・サン・シ」とリズムをとりながら丁寧に教えていきます。なかなか呑み込めない子もいます。苦手な子もいます。けっして「ダメだ」いうことは言いません。繰り返し繰り返し優しく根気強く教えていきます。1年生・2年生の先生から「3年生がホントに優しく教えてくれるので、苦手でダンスを嫌がっていた子が、楽しくなってやる気になりました」と言っていました。ですから、3年生の予想以上に1・2年生が早くダンスを覚え、1週目でほとんど全員、覚えることができました。初め欠席していた子にはマンツーマンで教えました。

練習を進めながら、「ここはどうしようか?」「ここは変えた方がいい?」という所が出てきます。そういう時。(たとえばフィニッシュをどうするか? ハイタッチは男女でやろう!など)演技長と演技係、指導部で話し合い、知恵を出し合い、「こうしよう!」と修正していきました。リーダーたちが話し合っていくという自治の力が発揮されました。

ブロック演技で〝優秀賞〟をいただきましたが、このような、リーダー達を中心に自分たちで創っていった自治の価値は、〝賞〟を超えるものですし、だからこそ、みんなの心がひとつになって、素晴らしい演技ができ、〝優秀賞〟をいただけたのではないでしょうか。

                   (「3年1組学級通信2010年9月29日」)

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