経験談

学校をどう変えるか(15)【いまこそ学校に希望を232】

学校をどう変えるか(15)

学校をどう変えるか(15)  A中の不思議・その5               

子どもたちを点数主義・競争主義に追い込んでいないか? 

A中では、3年生になると、中間テスト・期末テストなどの定期テストが、「総合テスト」と呼ばれるテストになります。

私は、昨年からA中に「会計年度任用」として社会科の授業を行うことになりました。
2年生の2クラスと3年生の1クラスと特別支援学級の2クラスを担当することになりました。

3年生の1学期中間テストの問題をつくるつもりでいました。「試験範囲」を前もって発表しますが、3年生は1学期いっぱいは歴史の近現代の授業ですので、その範囲で授業でやった所と2年生の3学期にやった部分を加えて、発表しようとしました。
そしたら、3年の先生から「3年生は『総合テスト』になりますので、1・2年生で学習した所も範囲に入れてください」と言われました。

「どうしてそんな範囲になるのですか?」と質問しましたら、「高校入試があるからです」ということでした。
私は、3年生の最初の定期テストですから、当然、3年生になって学習した所が中心だと思っていましたので、もうビックリ! 私は「そんなの、できません」と言いました。
そしたら、もう一人の社会科の先生が「私がつくります」と言ってくださり、私は、「ありがとうございます。
助かります」と、お願いしてしまいました。

つくっていただいた問題を拝見しましたら、1・2年生で学習した部分がほとんどで、3年生になって学習した部分からは1問だけしかありませんでした。

このテストを根拠にして、3年生の「成績」がつくとしたら、おかしいではないでしょうか。
3年生で学習した部分から1問だけ、ほとんどが1・2年生で学習した部分がほとんどなのに、「3年生の成績」としてつけられるなんて。

A中では、3年生のテストはすべて、高校受験のための〝模擬テスト〟なのです。
1学期の期末テストが2回目の〝総合テスト〟 2学期が始まったばかりの8月26日前後が第3回の総合テスト。
これでは、まるで〝塾〟ではないか?! 高校入試で点数を取らせるために授業をやっているのか?! 

しかも、2学期からは「業者テストになります」と言われました。
「なぜ、業者テストにするのですか?」と訊きましたら、
「業者の方が、客観的でいい問題をつくってくれますから」と。

私は、耳を疑いました。

学校の教師が作る問題は、客観的でいい問題ではないのでしょうか。
教師としてのプライドはないのでしょうか。
何のために、教材研究をし、授業をやっているのでしょうか。

私たちは、高校入試のために授業をやっているのでしょうか。

さらに疑問なのは、先生方がこのことに何ら疑問を感じず、良い事だと善意の心でやっているようなのです。

私は、あまりのギャップに、「もしかしたら、自分が間違っているのかもしれないのかな」とまで思い、考え続けました。
しかし、考えれば考えるほど、「これでは子どもたちが点数主義・競争主義に巻き込まれ、最大の被害者になってしまう」「これでは、子どもたちに学問・科学の本当の面白さ、学ぶことの楽しさを教えられない」「これでは、子どもたちを人間らしく育てることはできない」という思いがつのってきました。

A中でやっていることは、いま教育界で大問題になっている、新自由主義教育そのものではないかと思うのです。

点数を取ることに躍起になって、子ども一人ひとりを人として育てることができるのでしょうか。

子どもたちの根源的欲求は、そんなところにはないのではないでしょうか。

子どもたちは、ほんとうの学問・科学・芸術の面白さや感動を求めているのではないでしょうか。

それが、教育の目的である人格の完成につながるからです。

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