教育思想

教育の3つの規範(2) 憲法

2つめの規範 日本国憲法

公務員の憲法遵守義務

憲法とは、国民が国家権力にたいして「これを守れ!」と発した要求書・命令書だというこということを、まずおさえておかなければなりません。
ですから公務員には、憲法を守る義務があります。そこで教職員は新任の辞令を受けた時「憲法を尊重し擁護する」する(憲法99条)ことを宣言するのです。

侵略戦争にたいする痛切な深い反省 ~前文・9条~

戦後の民主主義と民主教育は、侵略戦争への深い反省からスタートしました。そのことを日本国憲法前文で明晰に判然と唱っています。そして、第9条。世界に誇れる、胸がすくような平和の誓いです。

〔日本国憲法前文より〕

…政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。
日本国民は、恒久の平和を念願し、…平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。  

日本国憲法前文

〔日本国憲法第9条〕

日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

日本国憲法第9条

憲法の前文と9条が、常に天から私たちを見つめ見守り、「二度と子どもたちを戦場に送ってはならんぞ」「この誓いを掴んで離すな」と囁いているような気がするのです。
憲法の平和主義に徹した教育を行わなければなりません。

 こんどの憲法では、日本の国がけっして二度と戦争をしないように、二つのことを決めました。その一つは、兵隊も軍艦も飛行機も、およそ戦争をするためのものは、いっさいもたないということです。…もう一つは、よその国と争いごとがおこったとき、けっして戦争によって、相手をまかして、じぶんのいいぶんをとおそうとしないということをきめたのです。おだやかにそうだんをして、きまりをつけようというのです。」(文部省『あたらしい憲法のはなし』1947)

「(憲法)9条がバックボーンとしてぼくらの活動を支えてくれる。われわれを守ってきてくれたんだという実感がある。」(中村 哲)

どの子も人権が尊重されなければならない

日本国憲法は、人権保障が豊かで具体的です。

年齢制限があるのは、公務員の選挙権と勤労の権利だけです。

数々の人権保障の土台になっているのが、13条(個人の尊重)と14条(法の下の平等)です。

すべて国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求にたいする国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で最大の尊重を必要とする。(13条 傍点筆者)

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分、又は門地により、政治的、経済的、又は社会的関係において、差別されない。(14条 傍点筆者)

一人ひとりが個人として大切にされなければならない、どんな理由をつけても差別してはいけないということです。この2つは、人権を保障するための人権といってもいいでしょう。

その上で、憲法には数多く基本的人権が書かれています。どれも欠くことのできないものですが、教育に直接関わってくるものとして、とくに次の権利は重要ではないでしょうか。

思想・良心の自由(19条)、表現の自由(21条)、

学問の自由(23条)、信教の自由(20条)、

生存権(25条)、教育を受ける権利(26条)

いずれかの人権が守られないところから、いじめや虐待が起こるのでしょう。

どれかを無視したり蔑ろにしたりしたところから、大概失敗するのです。

学校でも家でも常に仕事机の傍に、47教育基本法とともに、日本国憲法を置いておきたいものです。この当たり前で大切なことを、私もついつい忘れてしまうことが何度もありましたから。         

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