子どもが主人公の学校に!(19)
卒業式を変える(2)
フロア形式の卒業式に!
〝フロア形式〟とは、小学校に学んで、体育館のステージは使わないで、卒業生も保護者も職員も来賓も、全員フロアに位置し、同じ目線で向き合う並び方にします。
これは、〝フロア形式〟と呼びましたが、単に形式、カタチの問題ではないのです。
権威をもつ学校、その代表たる校長が卒業生に卒業資格を授け与える。
卒業式は、うやうやしく卒業生が卒業証書を授けていただく儀式である、という明治以降の国家主義的な思想に根差すものだったのです。
それは、卒業生にとっては受け身なものでした。これが、民主的な憲法成立後、今日まで色濃く残っていたのです。
卒業証書という紙一枚に権威を持たせ、それを授与する式。
このこと自体にどれほどの意味があるでしょうか。
ですから、欧米を中心とした先進国諸国では、卒業式という儀式は行われていないのでしょう。
実際、学校現場では卒業証書の紙一枚に大変神経を使っています。
特別いい紙を使い、生徒の名前は毛筆で書かれます。
卒業証書を保存するために、以前は筒が、今はバインダーが買われます。
それがわるいとは思いませんが、小学校や中学校の卒業証書がその後、何になったでしょうか。
私自身、自分の卒業証書を卒業後一度も見ていません(笑)。
何かに必要で求められたことは一度もありません。
私は、卒業生たちが自分たちで創った感動の卒業式、心に残ったその感動の方が卒業証書の紙よりも何倍も何十倍も重いと感じます。

私は、学校の運営に関することは、その学校ごとに決めるべきで、その際、学校の主人公である子どもたちの意見が十分に尊重されるべきだと考えます。
入学式や感動卒業式(卒業証書授与式)を、実施することが当たり前になっていますが、実施しない学校があってもいいのではないでしょうか。
合唱祭や体育祭などの行事は、国家主義的な権威付けがされていないので、やる・やらないは学校に任されています。
でも、欠かせない行事になったのは、これらの行事が子どもたちの成長(人格の完成)におおいに資するものだという合意が、子どもたちを含め、あるからでしょう。
主権在民の憲法思想に基づけば、卒業式を行うとすれば、主人公は卒業生であり、卒業生が3年間学んだことを自信に新たな道へ踏み出していくための中学校最後の行事、卒業生が自分たちでつくる最後の学びの場、という意味があるのではないでしょうか。
だとすれば、私は卒業式を行う意味が十分にあると思います。
A中やS中(S中も、A中に学んでフロア形式の卒業式をおこなうようになりました)で、子どもたちが感動的な卒業式を創ったので、卒業式をやって良かったと思いますし、卒業生が主人公の卒業式を継続・発展させてほしいと思います。
A中の卒業式をどう変えたか、述べていきます。
職員会議で合意された、「フロア形式」の卒業式。
まず、会場の〝設計図〟を考えて書きました。近いうちに概観の図面を用意しようと思いますが、とりあえず、言葉で説明を試みます。
体育館は、舞台を正面に見ると、縦長です。そこで、卒業式では横向きに使うことにしました。
南側の壁に沿って、卒業生がクラスごとに並んで座る舞台を設置します。
各クラス1列で北側を向いて座りますので、5列できます。
卒業生から見ると、北側の中央が正面になります。
正面(北側)を向いて右側が男子、左側が女子の列になります。
男子と女子の間に2人ぐらい通れるように間隔を取ります。
その正面(北側)に演台が置いてあり、卒業証書を授与する所になります。
演台の少し後方、左右に職員席と来賓席が設けられています。
卒業生席と演台・職員席・来賓席の間に広いスペースがあり、卒業生が卒業証書を受け取りに行って席に戻るスペースを除き、保護者席が設けられ、卒業生を斜めに見る形にります。
その舞台に近い部分が代表の在校生席になります。
(A中は生徒数が多いため、在校生全員が参加できないめ、生徒会本部役員と有志が参加し、合唱と群読を行います。
卒業生は、横5列の席でひな壇を3段特設して、その場に立って合唱と群読を披露します。
ひな壇を作るために、ビール瓶のケースとコンパネを学校の予算で買ってもらいました。
ビール瓶のケースを逆さにしてその上にコンパネを載せ1段作ります。
生徒が使っている机を運び入れその上にコンパネを載せもう1段。
フロアとビール瓶ケースと机で3段になります。
(フロアに1組と2組、ビール瓶ケースに3組と4組、机に5組だったように思います☞記憶が曖昧ですが…)

プログラムは、次の通り。
卒業生入場
- 開式の言葉
- 国歌斉唱(この問題点については後に述べるつもりです)
- 卒業証書授与
- 学校長の言葉
- 来賓の言葉
- 在校生の発表(合唱と群読)
- 卒業生の発表(合唱と群読)
- 校歌斉唱
- 閉式の言葉
- 卒業生退場
卒業生が約180名でしたから、「3.卒業証書授与」の時間がかかります。
「6.在校生の発表」は1・2年生に任されます。
「7.卒業生の発表」は3年生に任されます」
この「6」「7」が、生徒が主人公になる部分で、「7」が卒業生が主人公になる部分です。
「7」は群読と合唱でつなぐひとつの「合唱構成詩」という作品になっています。
はじめは20分間ぐらいだったと思います。
だんだん延びて、30分ぐらいになったのではないかと思いますが、どこからも文句・苦情は出ませんでした。
涙出る感動に包まれましたから。

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