自治をめざすクラスづくり(3)
班をつくる
毎日生活し学習するクラス内の基礎集団である、班をつくります。
私は、できるだけ早く、できたら4月の始業式の日、学活の時間に最初の班をつくります。
男子18人、女子18人の計36人なら、教卓から向かって、たとえば右列に男子、左列に女子になるように出席番号順に座席指定します。
上の表のように、私が班を決めます。
まず、ゲームをやります。ゲームをやるために、早く班をつくるようなものです。
最初の班活動…班対抗ゲーム
小学生や中学1年なら、たとえば〝なんだなんだ班会議〟が最適でしょう。中3でやったこともあります。
1~2分の時間があればできるゲームです。私は、朝も帰りもやり、4月新学期の当初は、短い時間で毎日やりました。
ルールを説明します
先生が、3本のチョークを持っています。
(白と赤と青。両手を後ろに回し)
1本だけ、見えないように右手に持ちます。
先生が何色を持っているか、班で相談して当てて下さい。
先生が「なあんだなあんだ班会議!」と言ったら、班で相談してください、
「やめ!」と言ったら、すぐにやめてください。当たったら、ポイント1です。
ゲーム本番
両手を後ろに回し、チョーク一本だけ
見えないように右手に持ちます。他の2本は左手に後ろ手で持っています。
右手を前に出し、大きな声で
「なあんだなあんだ班会議!」
班ごとに、何色か話し合います。10秒ぐらいたったら、叫びます。
「ヤメー!」
「先生が、いーっぱん!と言ったら、1班の人は声をそろえて、あーかとかしーろとかきいろ、と答えてください。じゃ、やるよ」
「いーっぱん!」
1班の子たちが、こたえます。
「しーろ」
「にーはん!」
「あーか」
同様に、3班…、4班…、5班…、6班…と。
「3班は、先生がヤメと言ったら、班会議をすぐにやめられたね。ポイント1!」「やったあー!」
「4班は、みんなの声がそろっていて大きな声でよかったね。ポイント1!」「やったあ!」
「はい、こたえは…」と言って、チョークを見せます…白!」
「当たった班は?」「ハイ!ハイ!ハイ!」
「当たった班は、ポイント1」「やったあ!」
「2回戦いくよ!こんどは、班会議の時間短くするよ」
(前よりも早いテンポで)「なあんだなあんだ班会議!」
5秒くらいたったら「ヤメ!」
「すぐにやめられた1班と3班は、ポイント1」
「じゃあ、こたえを聞くよ!」
(前よりも早いテンポでリズムよく)「イッパン」「キイロ」「ニーハン」「シロ」「サンパン」「アーカ」…
3回戦。(もっと早いテンポで)「なあんだなあんだ班会議!」
3秒ぐらいで「ヤメ!」…「こんどは、先生がどの班から聞くか分からないよ!」…
(順番バラバラに)「4班」「シロ」「6班」「シロ」「1班」「アーカ」……
さあ各班のポイントは?
「3班が3ポイントで優勝!」
「ハクシュ!!」「やったやったあ!」
※ゲームはいろいろアレンジできます。
例えば、1日目は班会議の時間10秒⇒7秒。2日目は7秒⇒5秒。3日目は5秒⇒3秒⇒2秒とする。色を英語にする。
なぜゲームをやるのか?
第一に、子どもたちにとって楽しいからです。慣れない新学期、なじめない新クラスで、どの子も楽しいと感じられることをやりたいものです。
第二に、自主的に規律をつくる萌芽を作り出すことができます。
第三に、集団を育てリーダーを育てる第一歩としてゲームの効用は絶大だからです。
班会議の時、何色にするか相談しますが、当てずっぽうしかないのです。短い時間で決めるのですから、「白にしよう!」と指示する子が現れます。班会議の時間を1秒にしてもできます。
先生が「ヤメ!」と言ったら、「ヤメヤメ!」言い合う班が現れます。
先生が、「○班!」と聞く前に「大きな声で言って!」と指示する子が現れます。
他の班のよい所をまねする班が現れます。
協力し合う関係の端緒が開かれるのです。
リーダーらしさを現す子が出てくるのです。
それは、子どもたちにとっては無意識かもしれませんが、大切な経験だと思います。
そしてなにより、教師にとって重要な発見となります。
※※他にも、同様の効果のあるゲームがあります。また改めて紹介していきたいと思います。
というわけで、最初の班をつくり、最初の班の最初の活動として、ゲームをやります。
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