子どもが主人公の学校に!(4)
改憲の動きに関連して
憲法問題をどう考えるか
国の最高法規である憲法、民主教育の土台でもある憲法が、危機的状況に置かれています。
これは、日本が戦争か平和かの重大な岐路に立っているということです。
いまの憲法状況がどうなっているのか、明らかにしておきたいと思います。
今回の「解散―総選挙」の問題
権力の濫用「7条解散」
発足早々で支持率の高いうちに選挙をやって多数議席を取ろうという魂胆が見え見えの選挙でした。
通常国会開会早々の衆議院解散―総選挙でした。
憲法では、69条で衆議院解散について定めています。
衆議院で内閣不信任案が可決された時は内閣は総辞職するか、衆議院を解散することができる、と。
内閣が解散権を行使できるのは、この時だけです。
過去に4回ありました。
衆議院解散は、首相の「専権事項」だと主張する向きもありますが、そんなことは憲法のどこにも書いてありません。
しかし実際には、衆議院議員の任期は4年なのに、4年の任期満了で選挙が実施されたことはほとんどありません。4年の任期を待たず、首相が「専権事項」と強弁して「解散」しているのです。
憲法を守っているという理屈を通すために言っているのが「7条解散」です。
憲法の第7条は、「天皇の国事行為」として10項目書かれてあり、その中に「衆議院を解散すること」があります。
これらは、6条の「任命権」と同様に、天皇が形式的に行うことです。
69条で内閣が衆議院を解散すること決めた場合に、天皇が形式上「衆議院解散」を宣言することになるのです。
「7条解散」を認めると、いままで度々あったように、いつでも首相が自分の都合で解散できることになり、まさに「権力の濫用」と言わざるを得ません。

「国論を二分する問題」を「しっかり進めていく」?
今回の総選挙で、高市首相が「憲法改正をやらせてください」と訴え、NHKの「日曜討論」で自民党の井上信治幹事長代理が、「国論を二分する政策」について、「憲法改正がその典型だ」「しっかり進めていきたい」と述べました。
「国論を二分する問題」なら進めてもらっては困るのです。
「国論を二分する問題」こそ、十分にかつ慎重に議論を尽くしていかなければならないのではないですか。
まして「憲法」というこの国の根幹に関わる重大問題ですからなおさらです。
「二分する問題」なのに強行したら、強権国家、独裁国家へ向かうことになります。
だいたい、高市政権が憲法のどの部分をどういう理由で変えようとしているのか、知らない人も多いのではないでしょうか。
選挙中、高市総理が改憲に触れて演説したのは一カ所だけでした。
国民の多くが望んだ政策は、物価高対策、福祉政策です。
憲法は、国民の国への命令書
そもそも首相が改憲の「やらせてください」と言うのが大きな間違いです。
憲法とは何か、御存じないのではないか、と思ってしまいます。
一国の総理大臣であろう人が…。
憲法とは、国民が定めて国にたいして、「人権を守れ!実現せよ!」と命令したものです。
ですから、まず憲法で定めているのは、「国民の人権」です。
この部分は「人権宣言」といわれる部分です。
国民の権利は、すなわち国家の義務です。
ですから、憲法99条には、公務員の憲法尊重・擁護義務が定められているのです。
憲法の改正は国会が発議するというのは、国民から、「この部分をこういう理由で改正すべきだ」という意見が出され、熟議の末、多くの国民が望んでいる場合に、国民の代表である国会議員が発議するかどうか議論する、という手続きを踏むということが至当ではないでしょうか。
国家権力側の首相から言い出すことではありません。
憲法を尊重し擁護する義務のある国が、国民の権利を守るどころか、踏みにじっていることがなんと多いのでしょう。
教育問題に限ってみても、20~25人以下の少人数学級実現も言わない。
教職員の定数増もやらない。
給特法の廃止も言わず「焼け石に水」の部分改正で済ませようとしている。
子どもたちを競争と序列化に追い込む全国学力テストをやめない。
義務教育無償化を遅々として進めない、等々。
政府には、「まず、憲法を守れ!」と言いたい。

変えてはならない、憲法の〝根本原理〟
小学校でも学習する、〝日本国憲法の3原則〟 これは〝人権宣言〟といわれる部分で、人類普遍の理念が書かれている部分です。
- 国民主権(主権在民)
- 基本的人権の尊重
- 平和主義(戦争放棄)
とくに〝平和主義〟は、日本国憲法の成立に直接関わる理念です。
すなわち、日本と世界に多大な犠牲を出した戦争への深い反省から、生まれた憲法であるということを認識しなければなりません。
ですから、憲法前文のはじめに、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないようにすることを決意し」と宣言しているのです。
そして、第9条で、永久に戦争を放棄することと戦力の不保持を定めているのです。
この部分は変えてはならない。
自民・維新政権は、この部分を変えたいと主張しているのです。
戦後民主主義教育の原点は、〝子どもたちを再び戦場に送らない!〟という誓いです。
高市政権は、戦争できる国づくりを、加速度的に進めようとしています。
子どもたちの生命と未来を守るため、断固として改憲を許してはいけません。
戦争につながるどんな企てにも反対し、子どもたちとともに希望を編み出し、繋いでいかなければなりません。
それは、子どもを主人公にする学校づくりと結びついています。

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